ツキウタ。のゆめ

□夜を妬かせる話 1
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今日は午後はオフ

陽との仕事だったので2人で外で食べてきた。
やることはないし、今日は撮影がないぞーと朝からご機嫌だった彼女の部屋に行くことにした。

「ななしちゃん、入ってもいい?」

『どうぞ〜』

ガチャ

「お邪魔します」

『おはようございます〜』

「何見てるの?」

『こないだの海さんのドラマです』

「あーあれか!面白いよね」

『はい!このシーンとかかっこよくて
何度も巻き戻してしまいます!』

そういって何度も海さんのシーンを見続けた。

彼女が自分じゃなくて
メンバーを見続けると思うとなんだかなぁ...




そこに追い打ちをかけるようなセリフ




『海さん、かっこいいなぁ』

「えっ」


『? どうかしましたか』

「あー、いや、かっこいいよね」





やっぱり、俺みたいなのよりもああいう男らしい感じのほうが好きなのかな
昔からなよなよしてるとか言われ続けてきたし...
筋トレとかもっとやってみたほうがいいかな
う〜んでも、きっとそういうことではなくて、もっと、こう...
人として変われない部分なのでは...
か、変われないということは、もう手遅れというかどうしようもない...
でもななしちゃんは譲れないし...





こうなったら強硬手段しか





「もうテレビは終わり」


そう言って後ろから抱きしめた


ピッ



『あ、リモコン』

「俺よりテレビの中の海さんのほうがいい?」

『わっ、え、と...そんなことは』

「じゃあ、なんで俺のことみてくれないの?」

『それは、その...夜さん優しいし、
あんまり妬いてくれないなぁって思って、
恋くんと海さんに相談したら
こうしてみろって教えてくれたので...』


へ?

ワザト...?





「わざと?」





『わざと、です...。ごめんなさいっ!』




「あ、はは、なんだ。よかった...」



脚の力が抜けてななしの背中にのしかかる



『たしかに海さんはかっこいいと思いますが、夜さんのほうが何倍もかっこいいです!』


「あ〜焦った...。でもなんで急に妬かせようなんて思ったの?」



『妬かせよう...というかもっと、思ってることたくさん言ってほしいなと思って。
疲れてる風に見えても、口では大丈夫って言ってくれたり、するじゃないですか。
優しいなぁって思いますけど、もっと頼ってほしいって思います。』



...たしかに思い返せば頼ることって、台本の読み合わせとかくらいしかないかも。



「そうだね。もう少し、頼ってみる。いろいろ考えさせてごめんね」

『もっと、頼ってください。甘えちゃっていいですよ!』



「ぷっ...」

『わ、笑わないでください〜!』



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(そういえば、
妬かせるって案を出したのは?)

(恋くんですよ)

(こい!?
郁の誕生日といい、
年少組が追いつき始めている...。
やばい。)

(そ、そんなことないですよ。
 夜さんには夜さんの良さがあります!)

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