文豪ストレイドッグス

□社内恋愛。3
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虎化した敦くんが芥川に応戦する最中、新たに増えた怪我人…谷崎兄弟を同時に処置する。














この異能は少々体力も使うので二人同時に重症を処置するとなると、中々骨が折れる。










「早く、太宰さんがきてくれないと…」









虎化した敦くんの持ち味がタフネスとはいえ、戦闘に特化した異能と訓練を積んでいる芥川に長期戦を挑むのは不利だ。









「"羅生門 叢"!!!!」









細雪から出てきた瞬間に芥川が狂気に満ちた表情で羅生門を発動させる。









それが、敦くんとぶつかる寸前に聞こえてきた間の抜けた愛しい声。









「はぁーい、そこまで。」









人間失格により羅生門は消え去り月下獣は解かれる。ちらりと私の顔を見て安心したような表情を見せた太宰さんは動揺する樋口にこう続けた。









「美人さんの行動は…と言いたいけれどね、私は愛しの彼女の事が心配でね。こっそり聴かせてもらったよ。」









ポケットを探ると小さな盗聴器が出てくる。来てくれるとは思っていたが、ここまで心配性にも磨きがかかれば只のストーカーだ。









ゆっくりとこちらに歩いてくる太宰さん。
目の前にしゃがむとゆっくり頭を撫でてくれる。









「では、最初から私の計画を見抜いて…、」









「由佳莉疲れたでしょう?よく頑張ったね。」









すると、何か糸が切れたように太宰さんに倒れ込んでしまう。大きな手が背中に回る感覚に安心し、意識を手放す。









「今回は引きましょう太宰さん。しかし、人虎の身柄は必ず僕らポートマフィアが頂く。」









「なんで?」









芥川の宣言に間髪入れず返す太宰。









「簡単な事、その人虎には闇市で懸賞金がかかっている。賞金の額は70億。」









「それは随分と景気の良い話だね。」











まるで芥川など眼中に無い様に愛しの彼女を胸に抱きながら返答する。









「では、武装探偵社と戦争かい?やってみたまえよ。やれるものなら。」









今度は地獄の底から這い上がった様な冷徹な目を向け言い放った。









「我々はこの街の暗部そのもの。たかだか十数人の探偵社など3日と待たず事務所ごと消える!」









「知ってるよそのくらい。」








然り、彼は誰よりも承知している。








__________元ポートマフィア、太宰治。

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