文豪ストレイドッグス
□社内恋愛。1
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ある程度の広さとはいえ質素な社員寮の部屋に見合わない大きさのキングベット。
その中心で抱き合い、仲睦まじく眠る二人の男女。
愛を育むベッドは余裕のあるサイズで、と言い出したのはどちらだっただろうか。
勿論、愛おしそうに彼女を抱き締める
太宰治________________その人である。
「ん…、由佳莉?」
目を覚ますと昨晩の行為_______これは書くわけにはいかないが、その姿のまま無防備に眠る彼女の姿。
小さく声を掛けるも彼女はまだ小さな寝息を立てるばかりで、
真面目な彼女が出勤時間に遅れては後でどやされるのは私の方だろうと思い、額に軽く口付け耳元で囁く。
「由佳莉、そろそろ起きようか。遅刻してしまうよ?」
W遅刻Wその言葉に反応したのか眉間に軽く皺を寄せゆっくりと瞳を開く彼女。
『おはよう、』
私の顔を少し見て安心したように胸に顔を押し付けて甘えてくる由佳莉は天使だ。
軽く頭を撫で、軽い接吻を交わし彼女は布団に潜るので、私が先に起き上がる。
棚から適当な服を身に付け、散乱した洋服と下着を掻き集め洗濯機に放り込むと横目に着替えた彼女がキッチンへと歩くのが見えた。
今から簡単な朝食を作るのだろうと予想し上機嫌の彼女を想像して、頬が緩む。
『治、先にシャワー浴びててね!』
「分かったよー」
この由佳莉の名前呼びはこの家だけだけど、それすらも愛おしい。と考えながら、伸びた返事を返しシャワーを浴びる。
暫くし、脱衣所から出ると既に出来上がっている朝食がテーブルに並んでいた。
「治は食べてて?私今からシャワー浴びてくるから」
エプロンを脱ぎつつそう言った彼女に軽く返事をして、心の中ではこう思う。
嗚呼、いいお嫁さんになるな。と。
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