二次創作

□ジョーカー・ゲーム 「眠りについたあと」
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柩の中で眠るのは、真木克彦。

人を惹きつける様な顔をしたその青年は、ドイツで不慮の列車事故によって永眠した。

柩の中、白や紅の薔薇に飾られている。

もうその瞳は、開く事は無い。







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「三好が死んだ...?」

佐久間は、結城中佐の言い放った言葉を信じることが出来なかった。

「嘘ではない」

一言だけそう言うと、結城中佐は佐久間に退室するよう促した。


回らない脳で、脚を動かす。ふらふらとして覚束無い。

予感は、あったのだ。

三好が旅立つ前日に感じた、あの不安。

本当に、そうなるとは思っていなかった。

いつもの飄々とした表情も、

拗ねた幼い仕草も、

夜の甘い睦言も、

もう二度と、聞くことも見る事も出来ないのだ。

どうか来世では、一緒になりたいと願う俺を。三好は女々しいと笑うだろうか。







俺は、愛しい人の偽物の名前を呼んだ。













end
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