短編集
□☆ 夏休みのとある日
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暑い。
その一言でしか言い表せないような今日。
俺はいつものように親友である真幸(まさき)の家へ向かった。
仲良くなったきっかけなんて、もう忘れてしまった。だが俺は真幸のことを一番の親友だと...思っている!
思っている、というのは、真幸は最近俺に冷たいからで...。
嫌われたんだろうか、と思う。
たしかに俺はバカな所がある。
というか今まで真幸が俺とつるんでいたことが奇跡なくらいだ。
真幸は面倒見が良くてそのうえ料理も出来る。少し腹黒い以外は完璧で、クラスの人気者だ。
思わずため息がもれた。カサリ、と音が鳴る。
右手にさげたコンビニの袋には、真幸の好きなショートケーキ。
真幸はこれで大体の事は許してくれていた。
ショートケーキは仲直りのしるしなのだ。
そんなことを考えているうちに、真幸の家に着いてしまった。