短編
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夢の様な1日だ。
可愛い服を一緒に選んで買ってもらって、最初は嫌がってたけどプリクラも一緒に撮ってくれた。
「女って、本当に買い物好きだよな」
『一郎とだから楽しいんだよ。1人で買い物なんてしたって面白くないし!』
笑顔でそう告げる私に彼の頬が僅かに赤くなっていくのを感じた。
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どれくらい時が経っただろう、気づけば空は青色から綺麗なオレンジ色に染まっていた。
『今日はありがとう。私ね?ボクシングなんて危険なスポーツ見るの、本当は嫌いだったんだ。でもそれでも観れたのは…一郎が居たからだって気づいたんだよね。』
「いつも試合観ては怖がってるしな」
好きじゃないのは分かってた。という彼は更に言葉を続けた。
「練習漬けで、側に居れなかったから些細な事でも良いからお前の側に居たかったんだ。」
彼からは想像も出来ない言葉ばかりが私に向けて飛んでくる。
『それならそうと、言ってよ。次のデートはどこ行きたい?』
少し間を空けて彼は答えた。
「お前と一緒なら、どこでも」
今まで見たことも無い、それはそれは優しい笑顔だった。
E N D .