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□fever 2
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久しぶりにテヒョンとゆっくりご飯を食べて、オフィスに戻った時だった。
「ジミナ、ちょっと来い」
僕と少ししか年は変わらないのに、若くして責任を負う立場にいるナムジュニヒョンに呼ばれた。
ああ、仕事中のナムジュニヒョンは緊張するなぁ。僕なんかやらかしちゃったのかな…なんて考えながら恐る恐るヒョンのデスクへ向かう
「ジミン、お前ももう3年目な訳だし、今年入ってくる新人の教育をお願いしたいんだが」
「え、僕がですか?」
「ああ、お前は基本的に人当たりも面倒見もいいし、新人が一人前になるまではついててもらいたいんだ。まあ、俺もフォローはするから、そんな気負う必要はないけど」
「…僕でいいなら、やってみます。」
この部署ではまだまだ新人なので、まさか教育担当になるなんて思ってもなくてびっくりしたけど、まあ怒られたわけじゃなかったしいっか。なんてこの時の僕は呑気に考えていた。
「今日から配属になりました。チョンジョングクです。至らない点も多々あると思いますが、宜しくお願いします」
ああ、僕はきっと神様に嫌われてるんだ。
ナムジュニヒョンの話から数日後、噂の新人がやってきた。
うちの部署に来る前から、社内ではテテに次ぐイケメンが入ったなんて噂されていて、あ〜イケメンとずっといたらただでさえ冴えない僕がさらにかすんじゃうな、なんて考えていた。
でも、そんな心配してる場合じゃなかった。
これは一大事だ。
頭の中でサイレンがなる。このまま救急車でどこかへ運んで欲しい。彼の視界に入らないどこかへ。
なんでお前がここにいるの。
そしてなんで僕は、教育係なんて引き受けてしまったんだろう。
「ジョングク、あそこにいるのがパクジミンっていって、お前の2年先輩にあたる教育係だ。これからは基本ジミンについて業務を学んでもらうから」
ほら、ジミンも。と言われてはどうしようもなかった。
「パクジミンです。これからよろしくお願いします。何かわからないことがあったらなんでも聞いてね」
どうしてもジョングクの顔が見れずに、俯き加減で言い切った。
「こちらこそ、ご迷惑おかけしますが、宜しくお願いします」
ちらっと盗み見たジョングクは、周りがキラキラして見えるほどさわやかな笑顔で僕を見ていた。
知り合いだったと知れて困ることがあるわけじゃないけど、ジョングクも初対面のように振舞っていたので、僕もそれに合わせた。
いや、正直合わせるとか合わせないとかじゃなくて、考える余裕がなくて、そんな流れになっていた。