bluemoon
□1話 人生が変わった日
2ページ/4ページ
帝丹高校に入学した私は、空手部に入部し、忙しいながらも部活と勉強を両立させ、充実した学生生活を送っていた。
もともと、近所に住んでいる1つ下の毛利蘭ちゃんと一緒に空手を習っていたため、他の1年生よりもずば抜けて上手かった。
目立つ存在であっても、同輩や先輩から慕われていたのは、すみれの人柄だろう。
「すみれ、練習付き合ってよ」
『いいよ!一年生大会近いもんね!頑張ろう!』
部活後は同輩の練習に付き合い、毎回下校時間を過ぎても部室から出てこない私たちは、顧問に叱られながら校門へ走った。
そんな普通の高校生。
あの日も……
「また明日ね!すみれ!」
『うん、おやすみー!』