その他

□2周年記念リクエスト置き場
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あいこ様リクエスト
「探偵たちと!」より、もし男主がFBI所属だったら





やぁ、俺は妙地那前。
高2のいつかに昼寝をしていて、目が覚めたら4才から人生をやり直すことになっていた以外は、白髪の目立つだけの一般人だ。
わけが分からない?大丈夫だ俺も未だに分かってない。
まぁ、多分だがアニメや小説でよくみる逆行というやつなんだろう。

ただ前世(?)と違うのは、何が有ったかは知らないが俺が生まれる前に両親がグリーンカードを取得して渡米していたってことだ。つまり俺は生まれも育ちもアメリカ合衆国の妙地那前ってことになる。ハローエブリワン……やっぱ慣れない…

『那前君、ちょっといいかね?』
「えぇ、どうしましたジェームズさん。資料ならキャメルに渡しておきましたが…」

まぁ色々あったが俺も二十代後半になってるわけで、とりあえず今は合衆国でちゃんと働いてる。
働いてはいるんだが、勤め先が、何て言えばいいか、その、なかなかアレなんだ。
なぜかは思い出せないが、俺は合衆国のお巡りさんになってしまった。分かりやすく言えばFとBとIが略語として使われてるところだ。

『なに、赤井君らと今後のことについて少しね』

先程から俺と話をしているのは今の俺たちの上司であるジェームズさん。けっこう偉い人だ。
入った頃から何かと良くしてもらっている、お髭の素敵な紳士だ。
そんなジェームズさんの言う赤井君とは、俺の先輩である赤井秀一さん。がちがちの和名だが、本人はクォーターらしい。俺に引けをとらない程長身で目付きもなかなか鋭いが、体術や車の運転を教えてくれたすごく頼りになるジオン軍ボイスのいい人だ。

『お前の血縁者じゃないのか?』
「秀一さん、俺と通り魔の共通点って髪の毛しかなくないですか?」
『たしか那前君のそれは地毛だったかね』
「はい、染めてないです。遺伝です」

今、俺たちは銀髪の日系人男性による女性だけを狙った連続通り魔について捜査を行っている…と言うことに表向きではなっているが、実際は違う。

『いくらあの魔女の変装とはいえ、モデルはちゃんといる。もし間違えて本人を撃ち、それがお前の血縁者だったら俺も後味が悪いのでな、確認しただけだ』

真相は、日系人男性に変装し何か目的を持って殺人を犯している、巨大な犯罪組織の幹部についての捜査を行っているわけだ。秀一さんは少し前までその組織に潜入していたが、色々あってnocなのがバレ、離脱。そのせいで最近は高確率で機嫌が悪い。とばっちり食らう周りが可哀想。

「俺にあんな顔の親戚なんていませんよ」
『本当にそうかな?那前が知らないだけで、実は何人かいるかもしれないぞ?』
「えぇ、そんなこと言われたら、そんな気もしなくもない…のか?」
『こらこら赤井君、可愛い後輩だからと那前君をそんなからかってはならんよ』

ちなみにここまでの会話、全部英語で話されている。
いつか日本語のほうを忘れてしまいそうな気がする。つらい。

─────────

というわけで今その通り魔(に変装した組織の幹部)の確保に乗り出して、すでに一戦交えている。
雨が降ってるのは会話が盗み聞きされにくくて助かるが、それ故にあちらの足音が拾えないのが難点。あと煙草が湿気るから秀一さんの機嫌がまた悪くなるのも困るかな。

「…秀一さん、俺を民間人避けに使うの止めてくださいよ」
『奴の体に穴は開けてある、そう遠くへは行けまい。いちいち民間人に話をしている時間が惜しいんでな』
「それで俺が通り魔に間違えられてちゃ世話ないですよね…」

民間人に避けられてるのに傷つきつつ、手負いの犯罪者が選ぶ逃走経路としては一番可能性の高い人通り皆無の脇道に入ると、道の先にタクシーと若い女性が見えた。
絶対あの距離じゃ俺たちの上着にあるFBIの文字見えてないだろうな…あ、女の子置いてタクシーが逃げていった…

「あれ日本語だ…あの子、日本人か?どうしてこんなところに」
『何でもいいが、早急に話を聞いて彼女を大通りへ逃がす。いいな?』
「……いえっさー」

「君、ここら辺で銀髪の日系人男性とか見たりしなかったか?……あ!違うよ、俺は通り魔じゃなくてお巡りさんだから!あ、これ証明書ね」
『…え、FBI?日本人…なんですか?』

最初はやっぱり怖がられたけど、聞き分けのいい子で助かった。
この子若いなんてもんじゃない、中学生か高校生ぐらいじゃないか。親はなにしてんだ。
いや、それより久しぶりに聞いた秀一さん以外のちゃんとした日本語。感動した。

「えーと…説明難しいけどそんな感じ。此処ね、けっこう危険地帯だから避難してくれると嬉しいな。大通りに行けばまたタクシーも捕まえられるからさ」
『あ、あの私、連れがまだ来てなくて…』


────────


「あんなキツいこと言わなくても良かったんじゃないですか?」
『日本人は危機感が無さすぎる。何か有ってからじゃどうしようもない……この路両端の警備を固めておけ』

不器用かよ、いやツンデレか

「……誰だったっけな」
『知り合いだったのか?』
「いや、違う…けどなんか聞いたこと有るんだよなあの声……」


────────

あいこ様へ
リクエストありがとうございました!
一周年リクエストの時から私も書きたいなって思ってたんですけど、需要ないかなって心配だったんです。同志がいてよかった〜(笑)
これからも当サイトをよろしくお願いいたします。
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