探偵たちと!

□転校生は女の子…でいいの?
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どうも、妙地那前です。
え、誰だお前って?
はははは……



ぐすん



隣のクラス、詳しくいうとB組、分かりやすくいうと蘭ちゃんたちのクラスに転校生がやって来たらしい。
前もB組に転校生がいた気がしたのだが、俺の気のせい?え、いたよね?一時期蘭ちゃんたちの周りちょろちょろしてたのいたし他の男子たちが「性別さえ逆ならラブコメヒロインだったのになー!!」って騒いでたからなんとなく覚えてるぞ。
高校って小・中学校よりも転校生イベントが少ないから、B組以外のクラスは贔屓だと不満を漏らしていたっけ。
まあ、俺はあんま羨ましくないかな。
例年と違うことが起こったときは、あいつや俺たちにとって何か大きなイベントのある兆候だと理解しているから。

話を聞いたときだって、多分その転校生本人か、そいつの関係者が何かしら訳有りなんだろうなあなんていう感想しか浮かばなかった。




『きみが蘭くんたちの言っていた妙地那前だな?』

蘭ちゃんたちに紹介されたら挨拶しよ、とか思ってたら休み時間に転校生の方からこっちのクラスにわざわざ乗り込んでまっすぐ俺のところにきた。
なに?俺何かしたか。なにも身に覚えがなくてこわいんだが?

「……そうだけど。きみ転校生?」
『ああ、ボクは世良真純。これからよろしくな』
「え、うん、よろしく……?」
『それにしても、ホントにただの白髪交じりなんだな、遠目からだと銀髪にしか見えないよ』
「ハハ……よく言われる」

あーはいはいこの子めっちゃキャラ立ってるし遠い昔に聞いたことある声だわこれ重要キャラ確定ですありがとうございましたお疲れ様です。
しかも初対面からこの絶妙な馴れ馴れしさ。この世界でこういうスタンスの人間がいるのはだいたい“自分は他人と一線を画す何かを持っている”という自信の表れであったりする。
新一しかり、服部くんしかり。
あ、真くんは天から何物も与えられてはいるけど謙虚さも持ち合わせたパーフェクトな存在だから初対面での馴れ馴れしさはなかったぞ。そこんとこよろしくな。

「世良、さん?それで、俺になんか用?」
『いいや何も?ただ、“あの工藤新一と一番仲の良い男の子”ってのがどんな奴か気になっただけさ。それ、きみなんだろ?』

あーーーーね。
いやいや、たまにいるんだよなあ、新一が何処にいるか友達の俺なら知ってるんじゃないかと詰め寄ってくる自称新一のファンとかゴシップ記者とか。あれと同じ目をしてたんだよね。探ってやろうっていう目。
あしらうのが面倒臭すぎて、何度「ああ、あいつなら今頃毛利探偵事務所で幼馴染みの毛利蘭に音読の宿題見てもらってますよ」って言ってやろうかと思っただろうか。

「あーそういうことね、残念だけど俺も工藤新一が今何処で何してるのかは知らないんだ」
『へえ、なかなか鋭いなきみ』

へへん!伊達に有名人の知り合いやってないからな、と口に出すのは流石に恥ずかしいので心のなかでドヤっとく。
この子、なんだか初期の服部平次と同じ匂いがするから、新一の情報は俺の方からはあんまりあげないようにしよう。
世良真純さん。

うん?せらますみ、せら、ます、み……?

うーん、なんか引っ掛かるな?
聞いたことあるような無いような感じ。
もやもやするなあ。

「俺、前にきみと会ったことなかったか?」
『お、なに?ボクを口説こうってか?』
「は?……いや!違うから!まじで!!違うから!!!!」
『そこまで強く否定されるとなんか傷つくな……』

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