探偵たちと!

□真くんと天下一武闘会
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完全捏造回
ヴェスパニア及び王族に関する捏造過多注意



『あ、来週海外で世界大会があるみたいなので、那前のぶんも申し込んでおきましたよ、一緒に行きましょうね!』
「真くん順序逆じゃね」

俺と昴さんの料理が上達したかはさておいた、そんなある日の真くんとの電話。いつも通り、俺による園子ちゃん関係のからかいで締められるかと思われたそれは、真くんのひと言によって遮られた。
そういうのは新一蘭ちゃん園子ちゃんでもうお腹一杯だったのにさ、とうとう君まで俺の拒否権を行使させてくれなくなったのか、真くん……あ、園子ちゃんに似てしまったのか?まったく俺の幼なじみカプは要らんとこばっかり似てきちゃう……

母さん達に聞いても止めてくれなかった。むしろお土産買ってきてねとお金を渡され快く送り出された。俺は微妙な心持ちになった。



と言うわけでやってきた…あー…えぇ、何処だっけここ。

『ヴェスパニア公国ですよ。女王が親日家で有名なのですが、那前は知らなかったんですか?』
「知らない……」
『ニュース見てますか?』
「見てない……」

聞いたこともないぞ……昔から米花町以外の地理はそこそこできたはずなのにな。
旅行先の外国で事件が起きたら国際問題になるかもしれないからっていう神の配慮かな。それなら納得。

空港から会場までの道のりで見た限り、国家としては程よく発展していて、気候は日本より少し暖かくて乾燥気味みたいだ。良いところなんだろう。ニューヨークみたいなパトカーの音も聞こえないしな。

「…え、けっこう人いない?」
『割りと参加者は多いみたいですよ。なんでも3位以内の選手には、トロフィーやメダルのほかに副賞として女王との夕食会に参加できるんだとかで』
「えぇ、それすごいね」

それはそれでセキュリティ大丈夫か?

「真くんどの大会でも角シードなの流石だな……」
『そのぶん試合数が減るのでなんとも言えませんが……那前は1回戦からですよね、頑張ってください!』


真くんがトイレに行くらしいので、反連れション派の俺は壁に貼り出されているトーナメント表を眺める。すれ違う他の出場者からもらう俺あなたの親の仇ですか?ってくらい鋭い視線はこの30分でわりと慣れた。
会場に入った時からなんとなくは感じていたが、やっぱり高校や日本の大会と比べて周りのピリピリした感じが強い。

「…他の大会よりガチ勢が多いよな…目付きがヤバい人いっぱいじゃん…」
『副賞が目当てなのさ。自国の人間の強さを女王本人に示して、ヴェスパニアといい関係になりたがっている国は多い』
「…はぁ、なるほど……」

やっぱりこの大会、俺や真くんにとっては腕試しの場所でしかないけれど、他の参加者にとっては外交的な意味合いも含まれてるのか。めんどうだな。
にしても、さっきから聞いてもないのにぺらぺらと話しかけてくるこのムキムキのおっさんはなんなんだ?参加者なのか?俺に友達にでもなってほしいのかな?

『…祖国のため、そこらの餓鬼に負けてやるほど俺は優しくない。悪く思うなよ』

なるほどあのおっさん、俺の1回戦目の相手だったのか。


真くんと二人で準備運動をしていると、審判らしき男の人に呼ばれた。ヴェスパニア語わかんねぇのに大丈夫かと不安だったが、女王が親日家なのが影響しているのか、あちらが日本語で話してくれた。有り難い。
審判の話を聞くに、俺の1回戦の相手が腹痛で棄権になったらしい……ドンマイだぜおっさん。

『海外の水が合わない人は大変ですね。那前は大丈夫ですか?』
「うん、俺はそういうの平気」



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