探偵たちと!

□原作に突入する
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皆さんこんにちわ。

この世界で生活しはじめてそろそろ14年目に突入しそうな妙地那前だ。

昨年度は原作に入ってないにも関わらず、一歩間違えれば魂と体がさよならばいばいしそうな出来事がボロボロッと降りかかったわけだが、なんとか五体満足で乗りきることができた。

今年度は平穏な日常を過ごしたいものだが、今日も俺の隣では歩く事件吸引機が得意気にリフティングしている。
上手すぎてちょっとムカつく。


俺はA組、新一たちはB組、とクラスは別れてしまったが、何はともあれみんな無事進級し2年生になった。

何故かクラス掲示を見た後の3人のテンションが恐ろしく低かったが、結局理由は教えてくれなかったので飛ばしておこう。


そして新一はあれからさらに、事件が起これば進んで現場に出向き、警察の到着も待たず一人で取り調べをしてみたり推理の披露をしたりするようになった。

その翌日の新聞の見出しに『高校生探偵』の字を確認した俺は、そろそろ江戸川コナン爆誕の日が近づいているのだなと思った。



まわりの人たちに、聞いて聞いて、と一生懸命にしゃべっていた最初の時は可愛かった。

名が売れた今では、どうだ!これが俺の推理だまいったかぁ!って具合に自信に満ち溢れてて、これはこれで頼もしい限りだが、ただ最近、ちょっと調子に乗りはじめている感じがして心配だ。


「新一、そのうち背後からグサってされるかもな」

『ちょっと那前、怖いこと言うのやめてよね?』

「…冗談だよ蘭ちゃん」


グサッじゃなくてガツンッだったっけ。






俺が“あっち”で高校2年生の時に“こっち”に来たなら逆も有り得るかと思うが、昔より帰りたいという気持ちが薄れている自覚がある。

平穏な日常を望んでいたあの時は、ここまで彼らと仲良しこよしになるなんて思ってもみなかった。

ただの同級生の一人として、または野次馬の一人として、遠くから彼らを見ているつもりだったのだが、気づけばいつの間にか、俺は彼らの隣にいた。

隣にいるのが普通になってしまった。

今まで一緒にいる時間が長すぎたせいで、物理的にも俺の精神的にも
彼らと離れることが非常に難しくなってしまっている。

そしてその事に、まぁいいかって思ってる俺がいる。

せっかく丈夫な体を貰ったんだから、いざとなったら、俺が彼らを守ってやりたいと思ってる俺がいる。

つまり俺は、平穏な日々をほぼ諦めている。


「でもまぁ、いっか…」

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