翠玉の彼女と赤い狙撃手
□ああ。わかったよ。
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赤井秀一が沖矢昴になって家が少し寂しい。
アンジュからの連絡もないし。
「こんなはずじゃない…」
寂しいなんて感じるはずがない。こんなに虚しいなんて感じるはずがない…。
そうだ。ありえないんだ。赤井と会う前はこれが普通だったはず。
ポフッとソファに横たわる。
「やだなぁ…。すっごくやだ。こんなに虚しいなんて…。」
ザァ--と外から音がしてきた。
「雨…。」
道理で寒いわけだ。
そういえば、雨が降る日はいいことがない。
「雨は嫌いだ……」
全部流して持って逝ってしまう。
Prrrrrとケータイが鳴る。
ああ。やっぱり。
「ゼロ兄ぃのバカ。大馬鹿。」
『やぁ蓮。頼まれた“安室透”についてだけどサ。』
『君が睨んだ通り、彼……“安室透”は“降谷零”だったヨ。』
『そして、彼はいつかの赤井秀一と同じ……“ノック”だヨ。』
『嫌だねぇー。FBIにCIA、ツイには日本のケーサツ。』
僕の深いため息は、雨音に消えた。