翠玉の彼女と赤い狙撃手
□愛しいお前が死ぬための共犯者に
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いま、僕は赤井と家にいる。
何故か?簡単だ。ネタばらしをした後、ジョディさんやジェイムズ・ブラックに赤井を押し付けられ、泪はジニアンの家に……。
「蓮」
赤井が変わらぬトーンで話しかけてきた。
「このことを知ってたのは?」
「は?」
「お前の計画を知ってたのは?」
「ああ。僕のこの死んだフリの作戦を知ってたのは、僕の友達16人と灰原哀ちゃんの計17人が知ってた」
言い終わる前に赤井が抱きついてきた。
「な!?おい!なんだy」
震えてた。赤井は小さくカタカタと震えていた。
「また……守れなかったと思った。また……明美みたいに守れなかったと……。」
そういいながら抱きつく力を強める。
しかし、なんでだ?赤井の口から明美ちゃんの名前がでた瞬間モヤッとした。
それに、今回泪と僕の二人の生活を思い出した。
「わからんな。」
「?なにがだ?」
おぉっと。声に出してしまった。まぁいいか。
「わからん。実にわからん。」
「だから何がだ」
「物足りなさを感じた。」
「は?」
「お前が僕の家に来た時と同じように飯を出したり駄弁っていたりしても、お前がいた時と違って物足りなさを感じた。明美ちゃんの名前が出た瞬間モヤッとした。」
「よく分からん」と言うと赤井は「ククッ」と笑った。
「何笑ってるんだ。」
「いや。わからないとは……。鈍感なんだなと思ってな」
…むかつく。
「すまない。しかし、こういう所が鈍いとはな。」
そう言って撫でてくる。
「やめろ。なんか落ち着かん」
ペシッと赤井の撫でる手を叩く。
「ククッ。で?聞きたいのか?」
「聞きたいかと聞かれれば聞きたい」
そう言うと、赤井は僕の耳元で
「俺の事好きだから嫉妬をしてたり虚しさを感じたんだ。」
……は?
「虚しさ?嫉妬?好き?意味がわからない……。僕が嫉妬?僕がお前の事を好き?何を馬鹿なことを言ってr」
「俺は嬉しかったぞ。俺がいない事に虚しさを感じてくれたて。ましてや、好きな女に嫉妬までしてくれて。」
何を言ってるんだコイツは。何を。なにを。ナニを。なにを……。
「何を言ってるんだ……。僕が化け物だと今日わかったろ!?それでなおなぜお前は僕の事を好きと言える!?親が僕の両眼を見て気持ち悪いと思ったようにお前も気持ち悪いと思わなかったのか!?なんでお前は僕を愛してると言える!?僕は同情も無償の愛も愛情もいらん!化け物は愛されるべきではない!化け物は無償の愛を受けられない!僕のような化け物は……人間ではない醜い化け物は……お前のような美しい人間に好かれるべきではないんだ!赤井、その感情は一時的な思い込みだ。愛した彼女を殺されて、迷い事を言ってるだけだ。お前にはほかの女性と結ばれて幸せになr」
「黙れッ!!」
赤井が声を荒らげる。
グイッと僕から体を離すといつもの様に右側を覆う眼帯に手をかけブチッと引きちぎった。
「!?何をしt」
「蓮、お前は何を言ってるんだ!!たしかに俺はお前の能力を見た時驚いたし、目を見た時も驚いたさ。だが俺は化け物とも気持ち悪いとも思っていない。綺麗じゃないか。左眼はエメラルドのようで綺麗だが、右眼もウルフェナイトの様で負けず劣らず綺麗じゃないか。なぜ気持ち悪がる?その前にお前はなぜ自分をそう言うんだ。なんで……。これは俺の感情だ。一時的な迷い事じゃない。俺の思いだ。お前が自分の事を化け物と言っても俺はお前を愛している。蓮お前は……愛されていいんだ。」
……何言ってるんだよ。
「バッカじゃなかろうか」
「泣きながら言われても説得力がないぞ。」
「それで、答えは?」と言ってくる。
「僕は化け物だ」
「ああ。何度も聞いた」
「可愛いことなど言えん」
「別に大丈夫だ」
「何人も人を殺してる」
「それなら俺も同じだ」
言葉に詰まった。
「そろそろ答えを聞きたいものだな。」
答え…。