翠玉の彼女と赤い狙撃手
□恐ろしいぜ
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FBIが動き出した。
あの便利屋を殺っちまってから、“翠玉の隻眼を持つ怪物”の姿はない。
「ハンッ。馬鹿な奴だ」
数日前に銃弾をくれてやって、その後爆弾で吹き飛ばしてやったあの便利屋。
あの黒髪で隻眼の女が人類最強にして最悪と言われた化物だったのか。
だが
「死んじまったら関係ねぇか」
嘲笑を浮かべ、タバコに火をつける。
しかし、あんなにアッサリ死ぬもんなのか?人類最強にして最悪と名高いヤツが?
コンコンと窓を叩く音がした。
「あ?」
窓の外を見ると、どこかで見たことがある顔。
黒髪に青眼の女……
「お久しぶりですね。“怪我した銀猫”さん。」
何年か前に撃たれた傷口に白いハンカチを押し当て、一緒にいたらしい友人に「“怪我した銀猫”さんがいたの!」と言ってどこかに行った女。
「なんでここにいやがる。」
ギロッと女を睨む。
「ただの決別よ。」
ニッコリと笑った。
「決別だ?なに」
「言ってやがる」と聞こうとした時ガンッと何かで殴られた。
「うっ!?」
「言ったでしょ?決別だって」
女の手にはデザートイーグル。
「テメェ…」
「僕を殺そうとしたらしいけれど」
女は顔に手をかけ、ウィッグを外し木賊色の長い髪を靡かせベリッと顔の左側を外した。
嘲笑で歪む口元に、俺を見下すエメラルドグリーンの眼。
「残念だったねぇ」
「テメェ」
ギロリと睨むが、女……翠玉の隻眼を持つ怪物は余裕の笑みを浮かべる
「昔助けてやった縁で今回は殺さないでやる。だが、次はねぇ。」
そういった後…俺が瞬きして目を開けた時、アイツはいなかった。
「くそっ。恐ろしいぜ。化物が」
少し経ちキールの奪還するため、FBIのバンに各自がついていた。
[兄貴!翠玉の隻眼を持つ怪物がこっちに[ガンッ]グァ!?]
…鈍い音がしたぞウォッカ。
[っ!?ちょっとジン!翠玉の隻眼を持つ怪物はもういないんじゃなっかったのかい!?ウワァッ!?]
…ウォッカのところからキャンティのところまで移動した?
[怪物、こっち、きた…ッ!?]
次はキャンティのところからコルンのところだと…
「ベルモット!そっちに翠玉の隻眼を持つ怪物が」
[もう遅いわよジン!いつの間にか後ろにいるわ!どうsキャァッ!!]
ほんの一瞬で全員に何かしら攻撃を加えたあの怪物。
「はん。本当に……恐ろしいぜ。」