翠玉の彼女と赤い狙撃手

□翠玉の彼女の家は
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「江戸川君?どうかしたの?」

蓮さんと会い、ある事を教えてくれた翌日。江戸川君が来た。

「蓮さんが死んだ。」

「え……」

「昨日の来葉峠の…」と言う。

「だから頼んできたのね」

「え?」

江戸川君がキョトンとして言う。

「ええ。『今日から家を開ける。だけど明日から親友に家を貸すから、明日の13時に渡して』ってね。」

「そ、そうか…。」

さて、そろそろ時間かしら。

「じゃあそろそろ私は行くわ。」

そう言って、博士の家から出て喫茶店“シェイクスピア”へ行く。



喫茶店“シェイクスピア”
シェイクスピアにつくと、彼女はコーヒーを飲んでいた。

「遅れてごめんなさい。」

「いいえ。大丈夫よ」

そう言って彼女はにこりと笑った。

「蓮さんから聞いてるわ。泪さんね?」

「ええ。そうよ。あなたのことも聞いてるわ。灰原哀ちゃんよね。」

「わかってて聞いてくるのね。」

そう言うと、泪さんはサファイアの双眼で見てくる。

「楽しいもの。」

「なにか頼んでいいのよ?」と言って私にメニューを渡して来る。

「…?何を読んでいるの?」

メニューから泪さんに目を移したら彼女は本を読んでいた。

「シェイクスピアよ。シェイクスピアの『オセロ』」

「そう。」

「シェイクスピアって面白いわよね。」

聞いてないのに泪さんは語り出した。そういえば、勝手に語り出すって蓮さんが言ってたわね。

泪さんは本を閉じてテーブルに置いて

「とくに、私はね。オセロのこの部分が好きよ。『Oh, beware my Lord, of iealousie,
It is the greene-ey'd Monster, which doth mocke
The meate it feeds on.』って部分がね」

「『ああ、怖いのは将軍、嫉妬でありますぞ、
 そいつは緑色の目をした怪物で、苦しめるんですな
人の心を餌食にして。』……って部分かしら」

そう言うと、彼女は笑顔で「ええ。そうよ」っと言った。
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