翠玉の彼女と赤い狙撃手
□守るから…何があっても
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カタカタとキーボードを叩く。
パソコンの画面には優しく微笑む木賊色の髪にエメラルドグリーンの左眼を持つ中性的な人……蓮の写真。
「死神……か」
昼間、蓮とその友達と友達の弟らしき子と父親のような人を見た。
そこで蓮が魚谷に言われた一言を思い出す。
「ッ!」
ガンッと机を殴る。
「死神なんかじゃない…!」
あの日、何があったか俺は知っていた。間接的にだけれど。
「君は…悪くないんだ…。」
魚谷に言われた時の蓮の表情が頭から離れない。ましてや初めて会った時の、まだ小学校に入る前の彼女を思い出した。
最初はアイツの後ろに隠れてて小動物のようだった。
それに綺麗だと思った。アイツやアイツの親と違った木賊色の髪に宝石のようなエメラルドグリーンの左眼。今は隠していている右眼も、左眼と同じくらい綺麗だった。
俺に慣れてからはニコニコ笑って可愛かったし、宿題をアイツと一緒にやってたら俺らの悪戦苦闘してた問題を答えた時は悔しかった。
小学校に入ってからはいつもテストで100点とって俺らに自慢していたな……。
こうやって思い出して、何度あの日に戻りたいと思ったか…。
「零徒、大丈夫。蓮は俺が守るから……お前の代わりに、何があっても。」
親友のお前の大切な妹は、幸せにさせる。何があっても。