翠玉の彼女と赤い狙撃手
□僕の獲物
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アキュラシーインターナショナル AS50。
イギリスで作られた狙撃銃で、重さ約14.1キロ、5発箱形弾倉。0.50BMG弾使用し有効射程距離1500メートル。遠く離れた標的を非常に正確にヒットできる驚異的な殺人マシンと呼ばれる銃。
[お前どこにスタンバイてるんだ?]
通話画面にしながら組織の連中を待ってた僕に赤井が問いかけてきた。
「アンタとは逆の向き。アンタは?どんだけ離れたところにいるの?」
[700ヤード離れたところだ]
「……当たんの?」
目標は小さな機械だぞ?
[当てるさ。そういうお前は?]
「800ヤード離れたところ」
[……届くのか?それは]
「僕のアキュラシーインターナショナル舐めんなよ。それに、僕の目標はアンタのより大きいからねぇ。」
[あの時ラットゥンアップルが震えていた理由がはっきりしたよ。]
「じゃあ嫌いになれ」
[いや。ますます愛おしいよ]
物好きな野郎もいたもんだなぁ。全く。
そうこうしてるうちに、組織の奴らがご到着。
「失敗すんじゃねぇよ?」
[誰がそんなヘマをするか。]
毛利探偵事務所の窓にサッカーボール。ガキンチョの一言。
「殺れ。餓鬼もろとも」
……八つ当たりじゃねぇかよ。
おやおや。ジンがラットゥンアップルにベレッタ突き付けて言い合いをしてる。
そして、ジンが懐から取り出した盗聴器……アレ?チューインガムじゃない?え?チューインガム付きの盗聴器を懐に入れてたの?……ばっちぃ……ジンばっちぃ!!
そう思い、面の下で苦笑いしていた。
一瞬で盗聴器が破壊された。
「お見事だな」
[ふっ。まぁな……さて、やっと会えたな…愛しい愛しい……宿敵(恋人)さん]
……何人恋人を作る気だコイツ。
そう思いながら四弾撃つ。
あの日と同じ、ジンの両肩とウォッカの肩と脇を狙って。
「命中」
するとキャンティがこっちに向けてライフルを向けてきた。
「!!じ、ジン!ヤバイよ…FBIよりヤバイのがいるよ!!」
「……何?」
「ヤツだ……翠玉の隻眼を持つ怪物だ!」
なんかキャンティすごく焦って可愛いな。
アキュラシーは銃弾が5つしか入らない。
とりあえず、スコープ潰すか。
最後の1弾でキャンティのスコープを破壊した。
[お見事。]
「まぁねー。」
じゃあ、茶番劇も終わったことだし……僕は帰ろう。