翠玉の彼女と赤い狙撃手

□くれ
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「くれ?」

「……なにを?」

突然の赤井の一言。

主語を……。

「お前のケータイの番号をだ。」

「僕の?知ってるだろ?」

「仕事のではなくプライベートのだ。」

むっすりとする赤井。

「別に必要ないだろ??」

あ、眉間にシワがよった。

「……くれ。」

……子供かっつーの。

「必要ないだろうに」

「必要だ」

……即答かい。

「じゃあお前のその帽子くれよ」

ピッと赤井のニット帽を指さす

「……ニット帽をか?」

「ああ。お前のアイデンティティをくれ。それに、ちょうど帽子が欲しくてな」

「……」

……また眉間にシワがよった。痕がつくんじゃないのかアレ。

「嫌なら諦めr」

「ほら。」

ポフッと顔に何かが当たった。

「ほら。やる。」

ニット帽……。

目の前にはニット帽のない赤井がいる。

「俺のアイデンティティをやったんだ。ケータイの番号をくれ。」

「……お、おお。」

いい笑顔で言うなコイツ。

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