翠玉の彼女と赤い狙撃手
□なぜ…なぜ…
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黒いシボレー止まっていた。
この光景も今日まで。
知り合いの情報屋からの情報で、ジョディと僕が女子会を開いてる間に赤井秀一が僕の家を捜索するというもの。
今日……彼は僕を一生怨むだろう。
「それでいい…」
ゆっくり玄関から入る。
「おかえり」
赤井秀一がいつものようにコーヒーを飲んでいた。
「聞きたいことがある。」
赤井秀一が覚悟を決めたオリーブ色の瞳で僕を見る。
「聞きたいのは、なぜ僕が宮野明美とのツーショット写真を持っているかだろ?赤井……いや諸星大。」
「!?」
驚愕と困惑の混ざった顔。
「赤井。お前は僕を恨む権利がある。憎む権利があるんだ。」
「何を言ってるんだ……」
「僕は宮野明美を見殺しにした」
そう言うと、赤井秀一はガタッとソファから立つ。
テーブルの上にある、僕と明美ちゃんが笑顔で写っている写真。
「何を……」
「……あの日……明美ちゃんが殺された日。明美ちゃんの頼みである倉庫の監視をしていた。当時僕はあの組織が気に入らなくてね。数人屠っていた。……銃刀法違反だが、ライフルを使っていたんだ」
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例の倉庫から結構離れた廃ビルから、ライフルを構え監視していた。
ライフルと言っても、明美ちゃんの頼みで銃弾はセットしていない。スコープなしで倉庫を監視していた。この体の身体能力高すぎ。
「明美ちゃんが組織の人間だったとはなぁ……」
倉庫にはまだ誰も来ていなかった。
「?明美ちゃん?」
少したった時、明美ちゃんが倉庫に入っていった。
少し階を降り、中を見れる位置で監視再開した。
明美ちゃんが電話をかけた。
Prrrrrr
僕のケータイの着音。
「もしもし?」
[もしもし?蓮?]
明美ちゃんからだ
「どーしたの?」
スコープを覗きながら答える。
[あのね……]
[ーーごめんねーー]
「え?」
その一言。すぐに明美ちゃんは電話をきり、ケータイを操作する。
その後だった。
黒いポルシェ365Aが止まった。
ポルシェを降りた二人組の男。
組織の幹部じゃないか。
なにか言い合っている。
銀髪が銃を明美ちゃんに構えた。
「!?」
急いで弾をライフルに込める……だが。
バァンと乾いた音がした。
見えるのは倒れる親友と、親友の体を漁り何かを探す男2人。
四発。
最初にガタイのいい男の右肩。
次に同じ男の左脇に。
次は銀髪の左肩。
最後は銀髪の右肩。
血が出てないところを見ると、防弾チョッキでも着てたんだろう。
だが、僕が撃った位置はちょうど手薄な部分。
廃ビルから撤退し愛車のフェラーリに乗った。
家の電話に1件の留守番電話。
ピ---
[もしもし。蓮。酷なお願いをしてしまってごめんなさい。私の最期の依頼です。妹を…志保を……]