翠玉の彼女と赤い狙撃手
□彼女について
1ページ/1ページ
日本 FBI臨時本部的な場所
俺は、蓮について調べていた。
便利屋としての評判はとてもいい。
他のところに少々疑問があった。
ネット記事を開いた。
19**年10月13(金)
雨の降る夜に叫び声が聞こえ近所の人が通報。
夫 久世 蓮司さん(36歳)
妻 麗華さん(35歳)
長男 零徒君(7歳)
の遺体が発見された。
凶器は、近くに落ちていた包丁と推測される。
長男零徒君の遺体の近くに、顔の右側に傷を負った、長女の蓮ちゃん(6歳)謝っていた。
カチッと別の記事を見る。
その記事には、包丁には、妻の麗華さん夫の蓮司さんの他に長女の蓮ちゃんの指紋がついていた。血痕は、蓮ちゃん、夫の蓮司さん妻の麗華さん、長男の零徒君のものであったということが書いてあった。
カチッとまた別の記事を見る。
近所の人の話では、毎日叩く音と怒鳴り声と蓮ちゃんの泣く声が聞こえていた。零徒君も親友の男の子に、妹が何も悪いことをしてないのに叩かれたり殴られたりすることなどを話してたという。
「シュウ??」
後ろからジョディに声をかけられ、そっちを見る。
「あの子の事を、私も気になったから調べてみたの」
プリントアウトされた資料を見る。
「あの子の髪と眼……どうやら親や兄弟とは全く違ったらしいのよ」
両親も兄も黒い髪に黒い眼だったようだ。
なのに彼女は木賊色の髪にエメラルドグリーンの眼……。
「彼女の生まれた病院にも聞いてみたんだけれど、確かに麗華さんから生まれたらしいの…でも」
「でも?」
ジョディは口ごもったが、その後重々しそうに口を開いた。
「DNAが一致しなかったらしいの。蓮司さんや零徒君はおろか……生みの親である麗華さんとも」
目を見開いた。
DNAが一致しなかった?
「まるで“神の子”……。」
「?」
ジョディが小さな声で言った。
「当時、病院に出入りしていた神父が零したらしいのよ。」
「神の子……な。ノアとでも言うのか?」
もちろん、蓮=神の子とは限らない……有力ではあるが。
「何者なんだ……」
いかんせん謎が多すぎる。