翠玉の彼女と赤い狙撃手
□お姉ちゃんの言っていた騎士は…
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ーーなにかあったら、この人頼ったらいいわーー
ーー大丈夫よ。お姉ちゃんの親友だからーー
お姉ちゃんが殺される数日前……私がお姉ちゃんに最後にあった日。
お姉ちゃんに渡されたの11文字の数字の羅列。
当時私は、「相手は組織よ?」と言ったが、お姉ちゃんは穏やかに笑いながら言った。
「騎士さんは組織なんかより何十倍も強いわ。コルンやキャンティ、ベルモットやウォッカはおろかジンよりも……。」
そう笑いながらお姉ちゃんは紅茶を飲んだ。
「……そんな人間いるの?」
疑いの目でお姉ちゃんを見ると、お姉ちゃんは頬を膨らませた。
「だいたい、そんな人がお姉ちゃんの親友って言うならお姉ちゃんを守ってもらうように言いなさいよ。」
「私よりお姉ちゃんの方が危険なんだから」と言いながら紅茶を飲んだ。
「ううん。私はいいの。」
そういった時、お姉ちゃんは少し悲しそうに笑っていた。
「大丈夫よ。志保。お姉ちゃんは大丈夫」
「何が大丈夫なの?」って聞いても、お姉ちゃんは笑うだけ。
意識が浮上した。
懐かしい……。
お姉ちゃんと最後にあった日の事を夢で見た。
お姉ちゃんの親友で組織なんかよりも何十倍も強い人……。
この際だから、頼ってみようかしら。
あの日の雨で濡れてくしゃくしゃなってしまっている紙。
懐かしいお姉ちゃんの書いた字。
ピッピッピッピッと数字を入れていく。
何コールかなった後に[もしもし。]と声がした。
「突然すまんのぉ蓮君」
「いえ。大丈夫ですよ。」
博士に頼んで、午前中だけ蓮さんの家にいることになった。
「じゃあ哀君頼むぞい。」
そう言い、黄色いビートルに博士は乗って帰っていった。
「じゃあ哀ちゃん。中へどうぞ」
中でソファに座り、蓮さんが入れてくれた紅茶を飲みながら、私は質問した。
蓮さんは、全て答えてくれた。