翠玉の彼女と赤い狙撃手
□まぁ大丈夫だろう
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あれから赤井秀一がちょくちょくくる。やめて欲しい。
いや、食材を買ってきてくれるのはいいけどやめて欲しい。あの組織に家に入ってることを見られたらいろいろヤバイから。
「明日から少し来れない」
「いや知らねぇけど?」
なんで僕に言うんだよ。
「突然来なくなったら心配するかと」
「心配しねぇよ。」
何を言ってるんだこの男。
「で。」
「あ??」
「夕飯はなんだ??」
……ガキかコイツ。
「食っていくのか??」
「俺に夕飯を食うなと??」
「質問を質問で返すな」
そう僕がいうと「コレは手厳しい」といいながらテーブルを片づけ始める。
てかいつの間にコイツの箸と茶碗とコップがあるの?
「ほぉー。今日の夕飯はラザニアか。その量だと、俺の分まであるじゃないか」
「残念だが、いつもこの量で作って明日の朝と昼にまわすからな」
「…朝は重くないか?」
「重くないが?」
まぁ今回は赤井秀一がいるから残ったとしても明日の朝分しかないだろうな…。
「…すごいお前」
ラザニアが綺麗になくなった。
「そうか??」
ブラックコーヒー飲みながらきょとんとしてるが…
「…なんで貴様は太らないんだ??」
不思議だ。
「それなりには動いてるからな。」
…ムカつく。
「しかし、アンタも痩せてるじゃないか。何かやってるのか?例えば…截拳道とか。」
「截拳道…。ああ。あのブルース・リーのか。」
「ほぉー。知っているのか。」
「知識だけだ。実践はしたことない。」
まぁ、真似るのはできる。何度か“見た”ことがあるからな。
一度見てしまえば、真似ることが出来る。刀語で言う見稽古のような事が出来るようなもんだ。
Prrrrrrrと僕のケータイが鳴った。
ピッ
「もしもし?」
[あ、蓮姉ちゃん??僕だよ!]
あのメガネのガキか。
「なんだ?どうかしたか?仕事か??」
[んーん。違うよ!蘭姉ちゃんが明日夕飯を一緒にどうかって!どっか食べにじゃなくて、蘭姉ちゃんの家でだけど]
「夕飯??」
[うん!あ…お仕事だったりする??]
「いや、仕事は今のところ入ってはないが…」
[じゃあ大丈夫だね!明日、毛利探偵事務所に来てよ!!バイバーイ!]
「は!?ちょ、お…きりやがったか…」
はぁとため息をつくと赤井秀一はクスクス笑ってやがる。
「何笑ってるんだ。」
「いや、強く言わないんだなと思ってな」
笑いすぎだろ。
「笑いすぎで死んでしまえ。」