翠玉の彼女と赤い狙撃手
□厄日なんだなこりゃ
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警察署から出て、僕はケータイを出した。
電話帳を開きある人物に連絡する。
[ハァイ。蓮ちゃぁん!どうしたのかしら?]
「ああ。ちょっと怪我をしてな。見て欲しいんだ。」
[わかったわ!このアタシに任せなさい!]
「ああ。任せるよ。ジン。」
電話の相手の名前はジニアン・サンローラン。ニックネームはジン。職業は闇医者。しかし、ジンの顔の広さは計り知れず。
「まぁ、持つべきは友か。」
そういやあのロン毛のコードネームも“ジン”だったな。
「気をつけるか。」
「何を気を付けるんだ??」
真横から声が聞こえたぞ今。え、真横って車が1台だけなんだが。しかも声はつい最近聞いた声なんだが。
横を見ると、運転席の窓を開け僕を見ているニット帽で目つきが悪い男…赤井秀一(仮)がいた。
「“ジン”と仲が良さそうだな。話を聞かせてくれないか?」
…目つき悪いな。てか、勘違いしてる。
「勘違いしてるぞ。絶対勘違いしてる。てかどこから聞いてた。てかお前誰だ。」
赤井秀一(仮)に問うた。
「『任せるぞ』のところからだ。…それよりひどいじゃないか。俺を知らない物のように言うなんて。お前ら組織ならよく知ってるはずだろ?俺のことを。それにさっきの言葉使いだとお前は“ジン”より上の立場か。」
完全勘違いしてる。この赤井秀一(仮)は勘違いしてる。
「はぁ。残念だが、お前の言ってる“ジン”と僕の言ってる“ジン”は別人だ。」
全くの別人だ。
「ほぉー。なら、ついて行っても構わんな?」
「ダメだ。」
信頼関係ってものがある。仕方がない。撒くしかないか。
相手はFBIの切れ者でましてや車に乗ってる。撒くのは容易ではないかもしれんが頑張るしかないか。
「まぁ。僕にも時間が無いんでね。失礼する…よっ!!」
ポケットに入ってた十円玉を赤井秀一(仮)の眉間にぶち当て、怯んだスキに痛い身体にムチ打ちダッシュする。
ちょー体いてぇ。
てか何今日。厄日??