翠玉の彼女と赤い狙撃手
□あー。やだやだ
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パトカーに乗り込んだまでは良かった。
なんでこの男と同じパトカーに乗ったんだよ。
隣には、風邪男ーー赤井秀一だろうきっとーーがいる。
まだゲホゲホ言ってるし。風邪ひいてるふりはもういいんじゃないか?それとも本気でひいてるの?本気で風邪っぴきだったらFBIってブラックなの?ブラック会社なの?バカなの?死ぬの?
「あの、大丈夫でしたか??」
「は?」
「いや、爆発する直前だったし、窓からだったんで怪我とか」
「ああ。大丈夫だが」
…この男の猫かぶりはキモチワルイな。
「なら、いいんですが。」
…本気でキモチワルイな。
「そういえば、あの女の子。知り合いですか??」
は?何突然。
「ほら、あの赤いフードの」
…だから突然なんだよ。
「知らない子供だが。」
……。ああ。そうか。そういえば、灰原哀ちゃんってこの男の付き合ってた彼女の妹さんだっけな。
「そうですか…」
そう言って、口を閉ざす。
「あの赤いフードの子。きっとアンタには懐かないよ」
「…酷くないか?」
「酷くはないな。」