台本置場(君と僕。)

□夕焼け色の思い出
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あ「(お菓子ボリボリ食べてる)」
こ「あきら、いい加減食べるのよせば?」
あ「や!」
こ「やって…。さっきから菓子くず、全部オレんとこ飛ばしてんじゃん。」
あ「わざとじゃないもーん!」
こ「わざとじゃなきゃ飛ばないから…。」
あ「むー…。こーちゃんのがごみ箱近いじゃん!菓子くずぐらいぱぱっと捨てなよ。」
こ「何でオレが怒られんの!」
委「ふふっ、そういえば、晃一くんとあきらくんって小学生から一緒なんですよね。」
こ「ん?そうだけど、何で委員長がそのこと知ってんの?」
委「あきらくんから聞いたんですよ。長いですよねぇ、小学校からって。」
こ「んー…。でも一年生からじゃないしね。四年生…かな?オレがあきらの学校に転校してきたんだよ。母さんが死んで、父さんが会社と家が近くなるようにって引っ越ししたから。な、あきら。」
あ「そうだった?それより十年くらい前じゃない?」
こ「生後間もないよ、それ…。」
委「そうですか…。お母さんが…。失礼なこと聞いてすいません。」
こ「あ、いえいえ。」
委「小学校四年っていうと…10歳くらいですか。10歳の二人って想像つきませんね。」
こ「あー…全っ然変わってないよ、こいつ。心身共に。」
委「やっぱり…。」
あ「えー、そうかなぁ?んー、でもこーちゃんは変わったよね。」
こ「何も覚えてないくせに!」
あ「変わった変わった。今じゃ無邪気と見せかけてまるっきし邪気の塊だもんね。」
こ「あー…、あきらくんが?」
あ「う…えっぷ…。」
こ「あきら、もうそのくらいにしとけよ。胸焼けするぞ。」
あ「しないもん!ボクが全部食べるもん!誰にもあげないもん!」
委「何故こうも余すところなく幼稚っぷりを全面に押し出せるのか…。」
あ「うぅ…。」
こ「ん?どうした?」
あ「ぎも‟ぢわ‶る‶い‶…。」
こ・委「えぇ!?」
あ「うぅ…――」バタッ
こ「あ、あきら!」
委「あきらくん!しっかりー!」
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