台本置場(テイルズシリーズ)

□クラトスの『親の心、子知らず』
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ク「(M)私はクラトス・アウリオン。天の機関クルシスに属する天使だ。私には、亡くした妻との間に息子がいる。生ける屍同然だった私に再びなすべきことを思い起こさせてくれた存在。それが我が息子、ロイド・アーヴィングだ。今の私はロイドと敵対関係にある。それでも私は最愛の妻・アンナに誓ったのだ。ロイドを影から見守り、未来を託すにふさわしい人間として成長するよう導くと。」


コ「クラトスの『親の心、子知らず』」


ク「(M)私は妻アンナとの誓いを果たすため、テセアラの地を旅するロイドたちの野営場所へ向かった。」

足音。

ク「(M)確かこのあたりに…ロイドたちがいるはずだが…。…ん?」

寝てるロイド。

ロ「ぐぉー、ぐぉー…ん〜…」

ク「(M)ロイド…。なんと無様な寝姿だ。この寒い中、腹を出して寝るとは情けない!そもそも、毛布か何かをかけていなかったのか!?いや、そういえばロイドは寝相が悪かったな。どこかに蹴とばしているのかもしれん。」

布が風と擦れる音。

ク「(M)この音は…上か!な、何!?6メートルはあろうかという巨大な木の上に毛布がたなびいている!ロイド、いくら寝相が悪いといってもこれはやりすぎだろう!おお、アンナ、この哀れな子を守ってやってくれ。このままでは風邪を引いて腹を壊し、何も食べられなくなって、栄養失調で死んでしまうかもしれぬ!よし!今すぐ毛布を…!」

リー「何者だ!?」
ク「(M)!!」

クラトス、慌てて草むらに隠れ。

リー「…誰もいないか…。おかしいな。確かに人の気配がしたのだが。」
ロ「ん…。ん〜ふぁ〜ぁ。ん?リーガルじゃないか。おはよ、どうしたんだ血相変えて。」
リー「いや、何でもない。それよりどうだ、ロイド。せっかく早起きしたのだ。食事の前に一勝負しないか?」
ロ「そうだな。もっともっと鍛えて、もっともっと強くなりたいもんな。よし!先に行っててくれよ父さ…あ。」
リー「ふふ、私はまだ子持ちではないが?」
ロ「はは、ごめん。なんかリーガルって父さんって感じなんだよな。」

ク「(M)ロイド…!!」

ロ「渋くって、頼りがいがあって大人で…。なんかカッコイイよな!俺もリーガルみたいにクールな男になりたいぜ。」
リー「はっはっ。そうお世辞を言っても何も出ぬぞ?」
ロ「お世辞なんかじゃねーよ!本気だよ!」
リー「そうか。」

ロイド、リーガル笑いあう。

ク「(M)ロイド…。そんなに父親を求めていたのか。しかし私はお前の敵。親子の名乗りをするわけにはいかぬ。そのかわり、私はいつでもお前のことを見守っているぞ。」
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