BLEACH

□可愛いミス
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「隊長〜…そろそろ休ませてくださいよ〜」
「駄目だと言っているだろうがッ!
松本、お前いつもどれだけサボってると思ってんだ?」
「んもぉ…隊長ったら、サボってないですって…」
「だったら何だ、現世の虚討伐にでも行ってんのか?」
「………………」
「何故黙る…」

温かな光を射し込む十番隊舎の任務室で
乱菊はどうやら説教を喰らわされているようで、
冬獅郎と乱菊の会話が温かな空気を掻き消すように響く
冬獅郎は乱菊の任務態度について説教をするも
乱菊は反省をする気がないらしく誤魔化したり
外をチラチラと見たりしている。
勿論その様子に冬獅郎が許すわけでも黙るわけでもなく

「松本ォォッ!!」
「き、聞いていますって……」
「お前いい加減にしねえと残業を手伝わせるぞ
どれだけの人数が苦労していると思ってんだ
今からこれだけの書類片付けたらこの件に関しては許す
だからとっとと取りかかれ」
「え、待ってください隊長」
「なんだ」
「この量異常じゃありません?」

冬獅郎が乱菊に明け渡した書類は山ほどに摘まれており
約50pくらいの高さに及ぶほどの大量の書類物であった
冬獅郎は再び眉間に皺を深く寄せて更に低い声で呟く。

「これはてめぇがサボった分だが?」
「ッ……!」

声を低くして呟いただけではなく、霊圧をも上げて
おぞましいオーラをぶちかましていた。
そのため乱菊も流石にこれはヤバイと思ったのか、
言葉を詰まらせて何も呟くことなく
目の前に置かれた書類の山に手をつけ始める。
暫く乱菊は無言で書類をひたすら片付けていて
冬獅郎は最後までさせるために乱菊を見張っていた。
すると突然と乱菊が手を止める。

「……?どうした、松本」
「………………ぷッ」
「な」

なんと突然と笑い始めたのだ。
冬獅郎は何故笑っているのか分からないため
何故笑っていやがると質問するも乱菊はひたすら笑い
ついには腹を抱えて笑い転がったのだ。
すると乱菊の笑い声が遠くまで聞こえていたのか
十番隊任務室にとある人物が足を運ぶ。

「なんやなんや?えらい騒いではるけど…」
「市丸か。何か用か」
「んや、暇やったから乱菊と日番谷はんが居るとこに
遊びにいこうと思ってて、んで今きたんよ」
「…松本が真面目にしねえのはてめぇの仕業かッ!!」
「え、ちょ、な、何のことですのん!?
ボクは乱菊になにもしておりませんて」
「それはどうだか」
「やれやれ、日番谷はんも人が悪いですわァ
それより何でこない乱菊笑ってますん?」

市丸は乱菊の方を見ながら冬獅郎の方へ近づき、
冬獅郎の近くにあったソファーに座り込む。

「…書類を片付けていたのだが暫くすると突然と
書類を見て笑い始めたんだ。」
「へェ…乱菊はサボりすぎて頭おかしなったんか」
「毎日サボってる隊長に言われたくないわよ💢」

バシッ!!

あいたッ!な、何するん!?」
「あんたが余計なこと言うからよ!
あんたなんかに言われたくないわよッ💢」
「そない酷い言い方せんでもええやん💢
大体ボクはこう見えてもサボってるんやなくて
現世に虚討伐にも行きよるんや!!
そーゆー乱菊は何してるん、サボってるだけやん!!」
「言ってくれるわね〜💢」
「先に言うたんそっちやろ💢」

市丸と乱菊が顔を近づけて言い争いをしているのを
冬獅郎は初めは黙ってみていたもののこりゃ駄目だと
ハァ…と大きくため息をつきながら

「…てめぇらは何処の夫婦だ」

と軽い突っ込みを入れてみる。
すると二人の言い争いはピタッと止まり二人して
同時に冬獅郎の方に顔を向ける。
すると凄まじい勢いで二人はズカズカと
冬獅郎の近くに駆け寄って二人同時に叫ぶ。

「なんでギンと夫婦なのよ💢」
「なんで乱菊と夫婦やねん💢」

「ほら、息ピッタリじゃねえか」
「ちょっと、合わせないで💢」
「何のことや、ボクは自分のタイミングで
日番谷はんを突っ込んだだけや💢」
「なぁ、市丸…それ意味深だからやめてくれ…」
「大体やで、乱菊がそないしてアホに笑っとるから
こないなことになるんや💢」
「だって仕方ないじゃない!!
隊長の女装写真が挟んであったら笑うわよ💢」
「ほんま次からは気を付けや!!
……って、ん?なんやて?今なんて言うた?」
「だから隊長の女装写真……」

乱菊の一言で十番隊任務室が一気に沈黙となる。
市丸は乱菊の肩をちょいちょいとして
ボクにも見せてと合図を送ると乱菊は市丸に
笑っていた原因の紙らしきものを渡す。

「…………ぶッ
「ほら、あんたも笑ってるじゃない」
「いや、だってこれ…」

乱菊に渡されたものに目を配りすぐに
市丸はぶふぉっと吹き出してついには
乱菊と同じように腹を抱えて笑い転がり始めた。
その様子に冬獅郎はそれまでは自分の写真ではないと
そう思っていたが二人がチラチラと此方を見ながら
笑っていたため気になり二人に近づき
二人が見ていた紙に目を配る。
そこに写されていたのは……

「なッ」
「隊長〜なんですか〜これは?」
「アカンて乱菊…ぶッ…そないなこと聞くんは失礼や」
「率直にお尋ねしますが…隊長はこのような趣味を…」
ちげえ!!!こ、これはあ、藍染に頼まれたやつだッ」
「藍染隊長が?なんでこないなことを…」


....
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