BLEACH

□三種に変化する牛乳
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冬獅郎の言葉を最後まで聞かずに乱菊は
ものすごい勢いでその場から立ち去っていく
その様子を冬獅郎と一護は唖然とする

「……なんかすげえ勢いだったけど…
先程のって…何かヤバイ事でも─」
「……ああ……少しな…」
「大丈夫なのか?」
「ああ、問題ないから心配するな」

二人はしどろもどろに喋ると同時に
乱菊から貰ったモノに目を配る。
茶色い紙袋で大きさは500mlペットボトルが入る位だ
とりあえず冬獅郎は割れるものかを調べる為
茶色い紙袋を縦に振ってみる。
すると中から時折ビンらしき音が響く。

「それ、大丈夫なのか?」

その物音を聴いた一護が心配をし
冬獅郎に大丈夫なのかと気をかける。
それに冬獅郎は大丈夫だといつものように
淡々な態度で応えて紙袋を慎重に開ける。
そして中身には牛乳らしきものが入っていた

「……………………は?」
「…冬獅郎、何て書いてあんだ?」
「…………“三種栄養入MILK”…」

中から出てきたのは
半透明色の牛乳が入った500ml牛乳瓶。
明らかに何処の店にも売ってなさそうな
雰囲気をプンプンと漂わせている。
続けて冬獅郎はラベルを読み上げる。

「……“栄養満点の三種類要素が
この牛乳一本に含まれているので
飲めば明日に身長が伸びるかも”
…だと…?」
「それ明らかに怪しいだろ。
つかそれ飲んで伸びたら苦労しねえって」
「……黒崎、てめえ分からねえのか」
「は…?いや、何がだよ!?」
「此処には“伸びるかも”って記されている
つまりは伸びる可能性があると言う訳だ」

冬獅郎は自信満々にそう言うと
一護は口をポカンと開けて唖然とする。
冬獅郎は普段は何事に対しても冷静沈着で
物事を冷静に見て考えて判断するが、
身長について書かれている物事に関しては
冷静さは保っているもおかしな方向へ行く…
という悲しき天才児である。

「冬獅郎…それ怪しいしやめとけって」

一護は明らかに怪しいものだから
手を付けずに捨てろと忠告をするも
冬獅郎は受け入れずに

「断る」

と即却下を下す。
それに一護も“冬獅郎がそうすんなら
どうしようもねえよ”と身を引くこととする
一護が身を引くと冬獅郎は牛乳瓶の蓋を取り
一瞬見つめたかと思うと瞬間に口づけて
グビグビと飲み始める。
そして飲み始めたばかりだというのに
500mlの牛乳を飲み干してしまった。

「ゴクンッ……ふぅ……」
「え、早すぎねえか…?」
「どうってことねえ。 しっかり堪能させてもらった」
「ッたく…それで何かあっても責任のとりようがねえ…」
「?何故責任を考える必要がある。これはあくまでも
背が伸びるのに必要な三種類の栄養素が多く含まれている牛乳だ」
「冬獅郎…ッたくてめえはッ……!!」

冬獅郎は一護が何故焦っているのかが
理解できておらず首を傾げて一護を見つめる
一護はハァと大きく溜め息を吐きながら
額に手を置き言葉を失う。



冬獅郎が謎の牛乳を飲んでから三時間。
冬獅郎と一護はそのまま何もしないのは
時間の無駄だと考え 一護の家でゲームをしていた。

「…黒崎…お前ゲーム弱すぎだろ」
「う、うるせえなッ…!冬獅郎が勝てるように
わざと俺が手加減をして──」
「…ッ……」

一護が手加減をして勝てるようにしてたと
慌ただしく言い訳をしようとすると
無言で一護の肩にぽすっと頭を乗せる

「…ッ…とッ…冬獅郎?」
「ッ……俺はてめえのそういうところ…たまらなく好きだ
「なッ……!!」

その言葉は一護殺しであった。
一護は顔を真っ赤にさせて口を開けたまま
そしてゲームの中の操作キャラが死ぬ。

「あぁあッ……!?」
「…ふッ…まだまだだな、黒崎」
「へ…ッ…え、まさかッ…!?」

一護の操作キャラが死ぬと冬獅郎が
フッと笑いながらまだまだ弱いなと呟く。
先程の冬獅郎の言葉は作戦だったらしい

「くそっ…狡いぜ冬獅郎…」
「黒崎が油断するからだ」
「そ、そうだけどよッ…!!」

二人は言い合いをしている最中、
ふと目がしっかりと合う。
そして二人は顔合わせて笑い合う。
と、その時だった。

「…い"ッ……!」
「…どうしたんだ?冬獅郎」

笑いあっていた最中に突然冬獅郎が
胸を押さえ込み痛みを訴えかけてくる。
一護は様子がおかしいことにすぐ察知し
冬獅郎を取り合えず横にさせてみる。
横にさせるも胸の痛みは治まらない様子。

「……冬獅郎、わりぃけど見せてもらうぜ」
「…………ッ…ああ…」

冬獅郎が顔を反らしながら許可を出すと
すぐに一護は死覇装を上半身脱がせる。
すると冬獅郎の両胸がわずかに膨らんでいた

「な…んだよコレッ!?」
「……ッ…黒崎ッ…苦しい……」
「すぐに楽にしてやるから待ってくれ。
──つっても…どうすりゃ…」

一護は必死に冬獅郎を救う方法を考える
考えている内にとあるモノに違和感を覚える

「……冬獅郎、さっきの牛乳瓶は何処だ?」
「はぁッ…はぁッ…そこ…ッ…」

冬獅郎が震える指で指した所には
飲み終えた空っぽの牛乳瓶が置かれていた
それを一護は手に取りラベルを読む。
も、先程冬獅郎が読んでいたのと
全く同じことしか書かれておらず
救う方法が一切書かれておらず言葉を失う

「……ッ…書かれてねえ…こうなったら─」

一護は一か八かで行動を取ろうと考える
牛乳瓶を元の場所へ置いて再び冬獅郎の元へ座り込む
かと思いきやいきなり冬獅郎の胸に

「いやぁぁあんッ!?」
「…」
「いッ…く、くろさ…ひぃン…ッ…!!」

一護はなんといきなり冬獅郎の乳首に
吸い付き始めたのだ。
それも勢いよく赤子のように。
冬獅郎は未知の感覚に大きく体を震わせ啼く
そしていつもとは何か違う感覚が走る。

「ゃ…ッ…?まッ…てッ…なんかッ…出そッ─」

一護はその言葉を聞きピンと閃いたのか
冬獅郎の言葉を無視するかのように
更に強く吸い上げる。 瞬間

「ひゃぁあぁ"あ"ッ…!!!」
「…ッ……!!」

一護はようやく冬獅郎の胸から口を離す。
そして口の中に甘いような甘くないような
牛乳とは違った液体の味が
口一杯に拡がることに気がつく。
それを飲み込み口の横から垂れているのを
自らの人差し指に絡めて確認する。

「これって…母乳じゃね?」
「なッ……!?」


....
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