BLEACH

□大好きな雪狐【後篇】
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「なぁ、冬獅郎。明日デート行かね?」
「仕事が溜まってるから無理だ。」
「そこを何とかっ!」
「別に明日でなくても良いだろ。
明日は休日だが俺には沢山の書類が─
「俺がちゃんと手伝うからさなッ?」
「…仕方ねえ。今回だけ、な」
「へへッ、愛してるぜ冬獅郎」
「…るせえッ…!」




「何で…?誰だよ…ソイツ…」
「あれッ、日程重なってたっけ…」
「んもぉ〜ひどぉい…今日はアタシと
デートするって行ったじゃなぁい…」
「…どういう事だよ…**」
「バレたなら仕方ねェな〜
わりぃな、俺○だとやっぱり満足できねえみたいだわ〜」
「……ッは?」
「だ〜か〜ら〜お前で勃t───


やめてくれ…ッ……やめて…止め…て

ヤメテヤメテヤメテヤメテヤメテヤメテヤメテヤメテヤメテヤメテヤメテヤメテヤメテヤメテヤメテヤメテヤメテヤメテヤメテヤ…メ…テ……ヤ……ダ……ッ…

ア"ア"アアア"ア"ア"ッ…


「───はん…ッ…!」

──誰の声だ?
何かを呟いている。

「ひつがやはんッ……!」
「…はッ…!!!」
「あァ…日番谷はんやっと目覚ました…」
「…市…丸…?何故此処に───」

冬獅郎は聴こえてきた声にふと目を開けると
市丸の心配そうな顔が覗いていた。

「…覚えとらんの?」

市丸は冬獅郎が目を覚ましたことに安心し
覗かせていた顔を手前に引きながら話を問う。

「覚えて…?何の事──くッ……!」

冬獅郎は答えつつ体を起こそうとするも
力が入らず上手く起こすことができず
数センチ程しか動かせず断念して
体を布団に委ねさせる。

「無理しんといてーや…さっきまで
ボクと殺りあってたんやから…」
「…何?お前と手合わせした覚えなんて─ッ…!」

冬獅郎はそんな事身に覚えがないと
発言しようとした瞬間、記憶が甦ったのか発言を止める
そして…

「…ッ……ち…近づくなッ……!」
「うわっ!?」

冬獅郎は思い出したようで
近距離に居る市丸を勢いよく突き飛ばす
市丸は勢いよく尻餅をつく。

「痛ッ…!!日番谷はんひどい…ッ…
ボク今まで看病してたのにそれは無いやん!」
「ッ……だ…誰もそんな事頼んでねぇ!!」

市丸はあれから冬獅郎の部屋まで運んだ。
襲いたいも一応怪我人だし看病し終えたら
後は乱菊に任せようと決心していたものの、
あまりにも心配で離れることができず
ずっと傍に付きっきりしているようだ。

「あいたたッ…ホンマ酷いで…」
「………」
「…それより日番谷はん、話を聞かせてーな」
「…何の事だ」
「何の事てそりゃ日番谷はんの過去ですわ」
「ッ…なんでそんな事を話さねえといけねえんだ…?」

市丸が話を聞かせてと発言した時
冬獅郎は無愛想に答えていたが、
“日番谷はんの過去”と言う発言した瞬間
眉間に皺が有ったのが無くなり、
眉が上り坂から下り坂に姿を変える。

「…日番谷はんの過去が原因なんやろ」
「…何が言いてえ」
雪を嫌う理由
「…ッ……」

図星を突かれたのか、
冬獅郎は言葉を発さず下を向いたまま。
市丸は“やっぱりそうやったか“”と
溜め息を吐きながら思い越す
そしていつもより優しい声色で

「教えてくれへんか?
ボクは日番谷はんの事を…いや、
"日番谷冬獅郎"を知りたいんや」

と目を見開き真剣な眼差しで
冬獅郎を見つめてそう問いかける。
それを冬獅郎は一度瞼を綴じて
再び目を開けて語り始める。…


....
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