BLEACH

□温泉にて桃桜乱【番外篇】
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【マユリside】
「もうすぐ八時半だネ」
「そうですね」

一護と冬獅郎が風呂で行為をしてる時
マユリは一階フロアの食堂にネムと居た。
ネムは副隊長だが、
マユリ様のお手伝いをすると言い
会議に参加しなかったのだった。

「食堂等で研究内容について語るのは
少し気が引けるのだがネ」

マユリは食堂ではなく、自室にて
ネムと研究し造り上げた入欲剤の
効果について評価を行おうとしていたが、
八時から副隊長会議が其処で行われる為
その場に居座ることが出来なかったので
仕方なく食堂へと身を移したのだ。

「大体何故旅行の最中に会議をするのかネ」
「分かりませんが、何か問題でも?」
「自室を使えない事に目を向けているのだヨ」

マユリはどうしても自室が良かったらしく
食堂の並べられた丸イスに座らず
立ちっぱなしでウロウロしている。
その様子にネムがこんな発言をする。

「マユリ様、話すことは出来ませんが
見ることは出来るのでは?」
「それはつまり…私に覗きをしろとでも
言っているのかネ?ネム」
「はい」

なんとネムは自室で話すことは不可能だが
研究物の効果を直接見に行くことは可能だ

と言う考案をマユリに託したのだ。
そんな考案にマユリが乗らない筈がなく…

「おもしろいネ、それに乗ったヨ」

そう言いながらマユリは食堂から出て
温泉のある方向へ足を踏み出す。

「ネムも来るのだヨ」
「分かりました」

ネムも誘い、マユリは温泉の方向へ進む。
男専用温泉の脱衣場の前まで来る。
其処でネムがふと、こう指摘する。

「マユリ様性別間違ってますよ」

その発言に対しマユリは
はて?何のことかネ?と言う顔で答える。

「いや、合ってるヨ。
私の研究物はこっちに在るのだヨ」
「マユリ様…いつからそのような趣味を─」
「何寝惚けた事を言っているのかネ?
男なんかには興味ないのだヨ。興味があるのは
あの研究成果十番隊長と旅禍の恋愛だヨ」

そう言いマユリは静かに音を立てず
脱衣場の入り戸を開ける。
そして脱衣場に服があるかを確認せず
いきなり温泉の方へ歩きガラス戸を開ける。

そこに居たのは────





誰もいなかった(不意討ち)
マユリはそんな事はないと必死に
洗面器やイスの裏まで探し始める。

「マユリ様、流石にそのような所には
あの人達どころか私達も無理ですよ」

ネムがそうやって突っ込むもマユリは
一切返事をせず探し続けている。
きっと聞こえていないのだろう。
そしてマユリは温泉の目の前まで行くと
暫く黙っていた口が開く。

「…れる…わ………たのだヨ」
「?」
「入れるの忘れてたのだヨ」
「えッ」

なんとマユリは研究物を使うのを忘れていたのだった
この様に呆ける事は滅多にないのだが
違う事に気をとられて忘れていたのだろう

「マユリ様、その研究物は今何処へ?」
「何処に入れたのかネ…」

マユリは何処へ保存しているかを
思い出そうとしながら一応ポケットに
手を入れて探り回すと
何やら音がするものを入れてるみたいだ。
マユリはポケットから出してみる。
ポケットから出てきたものは勿論──

「あったヨ」
「マユリ様しっかりなさって下さい」
「今回はへまを掛けてしまったヨ」
「見つかりましたが…ソレどうします?」
「勿論入れておくに決まっている。
後々十番隊長と旅禍が入る筈だヨ」
「そうですね。」

この時既に風呂を終えていたとは知らず、
マユリは袋の上を破り温泉に入れる。
すると温泉の色は透き通る透明が
妖艶で濃いピンク色に染まる。

「予想通りに染まったから問題点なしだヨ」
「色濃すぎて入らないと言うパターンは…」
「大丈夫だヨ。例え十番隊長が入らなくとも
良い雰囲気になればあの旅禍が無理矢理
浸からせるに決まってるヨ」
「なるほど。」

マユリは自信満々にそう呟き
入欲剤の入っていた袋をポケットにしまい、
温泉から退散する。

「行くぞ、ネム」
「分かりました」

それから二人はなんやかんや食堂に行く
そして食事を摂っている最中に地獄蝶で
副隊長会議終了のお知らせがあった為、
二人はそれぞれ自室に戻ったのだった。

....

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