BLEACH

□温泉にて桃桜乱【後篇】
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それから死神陣は部屋の案内が終わった後
固まり諸注意を確認する。

「…てことです。あ、後
八時になったら副隊長会議を行います。
それまでは自由時間ですが
その時間には総隊長とくろつち隊長の
部屋に集合するように…以上です解散」

七緒は諸注意を話し終える。
皆ははーいと返事をしてそれぞれの部屋に向かう。
皆が部屋に立ち去った頃一護と冬獅郎は残っていた。

「冬獅郎、部屋行かねえのか?」
「あ、ああ、今から行く」

冬獅郎は何やら考え事をしていたらしい。
一護に部屋に行かねえのかと声をかけられ
我に戻ったらしい。そしていつものような態度で

「ゴホン…黒崎、行くぞ」
「あ、ああ」

二人は荷物を持って自室へと向かう。
冬獅郎が先頭に立ち襖を開けると

「ッ……」

冬獅郎は言葉を失い 前に進まずその場に立ち尽くす。
それはそうだろう。
襖を開けた瞬間布団が隙間なく
二枚敷かれていたからだ。
様子が可笑しいと思った一護は
高い身長で後ろから見て驚く。

「うっわ!?…ッ…誰の仕業だよ!?」
「分からねえ」
「なんで並べてあんだよ!!」
「…ッ……知らねえ…もしかしたら
男女が来ると…思っていたのかも知れねえ」

冬獅郎は先程までは赤く染まっていたものの
今はとても冷静である。一方一護はと言うと…

「あ、えっと、トイレ…ボゴッ!!
っいてぇ!!

頭が正常に回らなくなっており
この場に居座るのに耐えられないと
トイレに逃げ込もうとするも壁にぶち当たる
ぶち当たりながらもヨロヨロと
部屋の外にある共用トイレに向かう。

「アイツ…大丈夫か…?」

冬獅郎は危なっかしい一護を心底から心配していた。
大丈夫かと心配しているとふと
一護に大事な部分を揉まれた事を思い出す

「ッ……ッ……!!!」

冬獅郎はまたもや林檎のように染まる。
この二人は同じ部屋で大丈夫なのだろうか…



【乱菊&やちる&織姫side】
「はぁ〜今日は楽しかった♪」

と言いながら畳みに寝転ぶやちる。
それを荷物を出しながら

「“今日は”ってまだ来たばかりでしょ…
メインの桜見と温泉がまだじゃない!」

突っ込みをいれる乱菊。
織姫は大人しく荷物を出している。
織姫に突如乱菊がこんなことを言い出す。

「織姫、温泉入ったら覗きしない?」
「え、覗き…?桜もついでに見るってこt─」
男湯の覗きに決まってるじゃない」
「え」
「何それ、楽しそう♪」

なんと温泉に浸かりつつ男湯を覗こうという考案
それを織姫は天然な為、
最初は桜を見ることなのかと思っていたが
男湯を覗くと真実を知らされ言葉を失う。
その話に興味が湧いたやちるが
楽しそうだと言い即賛成する。
織姫はしたくないと言いたいが
乱菊とやちるの威圧感に負けてしまい

「わ…わかりました…」
「わーい!!お風呂楽しみ♪」
「こうなったらお酒も要るわね〜」

乱菊とやちるがテンション上げる一方
織姫は断れなかった…どうしようと半泣き。

男性陣よ、温泉に浸かる時間をずらすのだ!
さもなくば大事なアレをさらけ出すこととなるぞ!!



【総隊長&マユリside】
「はぁ、寂しいわい」

外の景色を眺めながらそうポツリと呟く総隊長。
それに対しマユリははて?という顔で

「私は存在していないのかネ?」

と自分が此処にいるのに何故
寂しいのかネ?と問いかけてみる。
総隊長は外の景色を眺めたまま答える。

「いや、そう言う意味じゃないのじゃ」
「…ああ、若者等の恋を見てて恋しくなったのかネ」

頭のよくきれるマユリは
直ぐに総隊長の言いたい事がわかった。

「そうじゃ…皆恋をしとるんじゃのう…」
「そうだネ。まあ私は別に恋愛等に興味がない、
薬の実験ができたら良いのだヨ」

マユリは恋愛などしなくとも
薬の実験が出来ればそれでいいらしい。
そのマユリの考えに総隊長は言う。

「それは寂しい考えじゃ」

マユリは何かゴソゴソさせながら
総隊長の発言に開き直り言う。

「人それぞれ考えが違うからネ」

ゴソゴソさせていた音が聞こえなくなったと思いきや

ゴポ…ゴポゴポ…

何やらヤバそうな音をたて始める。
流石に総隊長もヤバイと思ったのか
バッと後ろを振り替える。

「何をしておるのじゃ…って…んん?それは何じゃ?」
「ああ、これかネ?これは私が開発した“入欲剤”だヨ」
「入浴剤にしては危なっかしいのう…」

泡風呂を除いて普通の入浴剤なら
マグマのようにゴポゴポと音をたたせない筈だ。
マユリの手元にある入浴剤らしきものは
ゴポゴポと泡が暴れている。

「色も怪しいのう…」

マユリの手元の入浴剤らしきものは艶かしいピンク色
マユリは自信満々に答える。

「大丈夫だヨ、これは我々生き物にとって
必要な欲成分が含まれているのだヨ」
「ほう、良い成分か。ならいいかもしれんのぅ」

と総隊長は聞き間違いをしたことに気づかず
納得をして再び外の景色を眺め始める。
その行動にマユリはまた

「…私は外景色より味がないのかネ?」

総隊長をからかい始めた。
そんな存在を認めてもらおうとしなくとも
存在充分と言っていいほど濃いのに。


....
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