BLEACH

□温泉にて桃桜乱【前篇】
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冬獅郎は人数を集めるために
市丸と藍染の元へ訪ねて
桜見温泉旅行に行かないかと誘う。

二人からは即オッケーをもらってしまう。
何を考えてるか分からない二人を
何故自分は誘っているのか
頭を悩ませながらも声掛をする冬獅郎。
丁度市丸を誘い終えた時だった為
その様子を見ていた市丸が

「どないしたの日番谷はん?」

と、まあ気が抜ける喋り方で。
それに対し冬獅郎は素っ気なく

「…なんもねえ」

とだけ返す。
それに市丸は諦めちぇっとそっぽ向く

「………」

冬獅郎はその場に立ち尽くし
忘れていたはずの好きな人の事を
頭に浮かべさせ始める。
知らぬ知らぬマイナスに
好きな人に自分ではない誰かを
好いていたらと考え始めてしまう。

「痛ッ……」

冬獅郎は胸を押さえ込み痛みを訴える。
市丸は突然痛がる冬獅郎のことが心配になり声掛ける

「どないしたん!?痛いん?
桜見温泉旅行…やめた方がええんとちゃう…?」

それに対し冬獅郎は
何事もなかったかのように強がり素っ気なく返す

「いや、なんともねえ。
残りのやつ誘ってくる」

胸を押さえ込んだまま冬獅郎は
市丸を押し退けて歩いていく。
冬獅郎の姿が見えなくなると

「…誰や、日番谷はんの心を迷わせとるやつ
温泉旅行で見させてもらおか…顔と相性を…なァ」

市丸は意味深な言葉を発しながら
ニヤニヤとしていた。




【冬獅郎side】
「はぁっ…ッ……はぁ…ッ……」

漸く胸の痛みが治まり男性死神軍が集まりは
宴をしている場所に着く。

すると死神に成り立ての新人死神が
冬獅郎の姿を目にし声をかける。

「あっ、日番谷隊長!仕事お疲れ様です!」

深々に礼をしながらと礼儀正しい新人死神に対して
他の隊長なら誉めるところが
冬獅郎は誉めることなく素っ気なく

「ああ。」

と手短く返す。
冬獅郎が遠くの所に姿を眩ました瞬間
先程の礼儀正しい新人死神がボソっと呟く。

「……ちっ。相変わらず生意気で感じわりー隊長だぜ」

冬獅郎のことを愚痴る。
冬獅郎の前では慕っているように見せかけ
裏では冬獅郎の事を毛嫌っている。

元々は恋愛として好いていたが偶々
冬獅郎の好きな人の正体が分かってしまい
取られたくないという想いから
気を惹かせようとするも空振りし
手に入らないならもう要らねえと其処から嫌い始める。

そう言いつつも内心ではまだ少し好きみたいで

「………それにあんな死神代行なんかよりオレの方が相性絶対いい筈なのによ…ッ……糞がツツツ!!!!」

叶わぬ恋に対しても愚痴る新人死神
その言葉に対し一人の死神がいきなり囁く。

「良いことを聞いたネ。
十番隊隊長は元旅禍の事が好きだったとは…ネ?」
ひっ!?え、えと……ッ」
「新人死神、一応忠告しといてやるヨ。
例えいくらお前が頑張ったとしても
その恋は一生叶うことはないヨ。無意味だヨ

マユリは新人死神に嘲笑うような瞳で絶望の言を呟き
姿を疾風のごとく消し行く。

新人死神はマユリが姿を消したのと
同時に地面へと崩れ落ち……


「…ッああああ"あ"あ"あ"ア"ア"ア"ァ"ッッ!!」
「なんだなんだ?」
「○○!?どうしたんだよ?」

楽しい笑い声と混ざりあい不協和音として
新人死神の泣き叫ぶ声が楽しい筈の場所に響き渡った。
一方その頃絶望の一言を喰らわせたマユリはと言うと

「只温泉行くだけでは面白くないからネ、
…何を持っていこうかネ」

誘われてもいないと言うのに技術開発局にて
妖しげな発言を爪を噛みながら発していた。
と、そこでそこに居たネムが

「マユリ様。入浴剤を開発して
持って行かれるのは如何ですか?」
「入浴剤…それいいネ。
只普通の入浴剤だと面白くないネ…」
「確かにそうですね…それなら
“性欲を高める入浴剤”なんてどうでしょう?」
「それだネ!」

ネムの考案に即賛成をし
早速その妖しげな入浴剤を造る作業に取りかかる。

この入浴剤がまさか良効果を恵むとは
創った本人すら思わなかった。


....
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