BLEACH
□温泉にて桃桜乱【前篇】
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そう、その声の主とは
ピンクの髪と可愛い笑顔が特徴の草鹿やちる
彼女はとても明るく元気のいい女子死神で
いつも剣八の肩にベッタリ乗っている。
十一番隊副隊長ながらも
あまり戦闘している所を見ないため、
か弱そうに見えるが実は(以下省略)
やちるの発言に一人の死神が答える。
「あら、温泉っていいじゃない!」
やちるの考案をすぐに受け入れたのが
酒が大好きな女性死神、十番隊副隊長の松本乱菊だ。
「桜見しつつ温泉に入れるなんて
そんな贅沢なの、滅多に味わえないのよね〜」
「でしょ?それに皆いつも仕事で
気が重いと思うから丁度いいかと思ったんだ〜♪」
「あら〜気が利くわね〜んもぉ、そうなのよ〜
毎日仕事が大変で肩が凝るのy──「ろくに仕事してねえだろ」
乱菊の言葉を打ち消すかのように
突っ込みをいれたのは銀髪に翡翠の瞳を持つ
天才死神十番隊隊長──
「あー!ひっつんだー!」
「………ひっつんじゃねえ。“日番谷隊長”だ」
日番谷冬獅郎。
姿はもろ小学生だが冷静な思考を持つ天才児
背を伸ばすのに一刻も早く寝られるよう
仕事に打ち込んでいる可愛い少年。
「えーそんな堅苦しいよひっつん」
「堅苦しくねえ!!つか、
こんなところで何話してんだ」
「あー、えっとね
今から皆で桜見温泉旅行に行こうって話なんだ〜♪」
冬獅郎に問いかけられた事に
やちるは自信満々に答える。
答えるも何故か一瞬沈黙が走る。
そして
「はぁ!?ふざけてんのか?
書類片付いてねーだろ!!
それに温泉とか今の時期別に行かなくても…」
「“今”じゃなきゃ駄目なんですよ隊長」
「松本…お前こんなところに居やがったのか💢」
「まあまあ〜それは良いじゃないですか〜」
「良くねえッ!!」
「あれ…もしかしてひっつんって温泉苦手…とか?」
乱菊と冬獅郎が軽く言い争っている間
やちるは二人の様子をじっと見つめていて
暫くして出てきた言葉がソレ。
やちるの言葉に対して
冬獅郎は少し焦りつつ
「んなッ……ことは………」
オロオロとし始める冬獅郎を
やちるはニヤニヤしながら満面の笑みで誘う。
「じゃあ、ひっつんも行こうよ!!」
「ヴ……」
断りたくても断れない状況に陥る冬獅郎。
心の中で、どうする…行くべきなのか?
と一人葛藤していた。葛藤しながらもやちるに
「………行くとすれば仕事は」
と問いかける。すると帰ってきた答えは……
「んー仕事はパチンコ玉とかに任せたらいいじゃん♪」
…
【パチンコ玉side】
「ぶわあっくしゃいあああああ!!」
「は…派手に嚔したね…僕の方にかけないでくれよ?」
「おい弓親ぁ💢お前の心配より俺の心配しろぉ💢」
パチンコ玉()は盛大な嚔をしていた。
…
【冬獅郎side】
「ゴホン……で、行くメンバーは決めてんのか?」
冬獅郎は、その桜見温泉旅行に
誰々が行くのかを聞いた。
それにやちるは満面の笑みで
「今のところ三人♪」
「………………え?」
「え?三人だよ?」
「三人って…まさかとは思うが…
ここの三人か…?」
「うん、そうだよ?」
「なんかおかしくねえか?なんで男は俺一人だ」
「え、やだ?」
「当たり前だッ」
「あら〜おかしいわね〜このメンバーだけだなんて
ハーレムじゃないですか隊長〜」
「松本ォ……💢」
このようにすぐに話が反れてしまい
全く話が先に進まない。
其処で冬獅郎が考案する
「はぁ…俺は男子を誘っておくからお前らは女子を」
人数を集めるために冬獅郎は男子に、二人は女子に
声かけをしようという考案である。
その考案を賛成したみたいで二人はすぐに返事をする
「はぁ〜い、じゃあ私はそうね〜」
「誰誘おっかなー♪えへへっ」
乱菊とやちるはそれぞれ違う方向に楽しそうな感じに
小躍りしながら遠退いていく。
その姿に冬獅郎は全く…と軽く溜め息を吐き
自分も探さねえとな、と考え始める。
「………にしても男は誰を…
阿散井と吉良と檜佐木は
明日の夜まで居ねえから外すとして…
朽木は興味なさそうだ。浮竹は多分行かねえだろう。
京楽は─………あいつはいらねえ(ごめんね)
個人的に市丸と藍染は誘いたくねえが…
人数足りないから仕方ねえ…誘うとして
これで男三人か、まだまだ足りねえ…後二、三人は…」
冬獅郎は黙りこむ。冬獅郎には好きな人がいた。
冬獅郎は死神達の中で大人気で
恋愛として好きだと言う死神もゴロゴロ居るが
冬獅郎は只好きな人だけを見ていた。
その好きな人の特徴は
“現世で過ごしている優しい死神代行”
冬獅郎はその好きな人を
桜見温泉旅行に誘おうとしているも
何故か一歩進めず立ち止まっている。
「なんて誘えば…以前に嫌かもしれねえ…」
不安に押し潰されそうになる。
そんな不安を掻き消すかのようにとりあえず
好きな人の事を考えるのを一旦やめて
藍染や市丸の元に訪ねることとした。
…
「わしらのことを忘れとらんか?
旅行で指揮を執るのはやはりこのわしじゃ!」
「桜には興味ないが…温泉には興味があるのだヨ」
すっかり冬獅郎に忘れられていたこの二人は
無事冬獅郎の脳内に存在することはできるのだろうか
....