BLEACH

□温泉にて桃桜乱【後篇】
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「ようこそ、桜温泉ノ舎へ。何名様でしょうか?」
「十一名です。」
「十一名様ですね、お部屋の方ですが
二〜三名のお部屋と五〜六名のお部屋
どちらにされますか?」
「そうですね…」

やちる等は無事に目的の舎へ着き
話を対等に出来る七緒が代表し
受付を済ませている最中だった。
七緒はどっちの部屋が良いかと
待っていた死神陣に訪ねると
二〜三名部屋が良いと言う意見が多かった為
二〜三名部屋にすることにした。

「すみません、じゃあ二〜三人部屋を
御願いします。」
「かしこまりました。それでは準備致しますので
ロビーに腰を掛けてお待ち下さい。」

七緒はコクリと一礼をして皆の元へと戻り座る。
すると突然藍染が何かぼやきだす。

部屋の割り当てをしなくちゃならないね」

その言葉に男性陣が目を光らせる。
そう、此処に居る男性陣は
冬獅郎と同部屋を狙っていたのだ。
それから男性陣と女性陣に分かれて
部屋の割り当てについて話し合いをする

ドロドロしていそうな女性陣は

乱「三:三に分かれましょ。」
七「私はどう分かれても大丈夫です」
卯「私も構いませんよ」
ネ「私もです。」
織「わ…私はやちるちゃんと乱菊さんと…
お、同じが良い…かな…」
や「えへへっプルルンと同じ部屋だ♪」
乱「これで良いかしら?」
卯「ええ、かまいませんよ」
七「大丈夫です。」
ネ「このメンバー面白そう」
乱「ふふ、決まりね。
織姫、今晩は宜しく頼むわよ〜」
織「ッ……うん!!」

とこのように何の醜い争いもなく
素早く部屋の割り当てが出来たのだが…
一方大人っぽそうに見える男性陣は…

藍「男性死神陣は計六名
部屋の割り当てでは女性陣は
二部屋しか使っていないようだから三部屋使える…」
市「つまり二人ずつってことやね」
総「ほほう、ペアを組むと言うわけじゃな」
マ「私は部屋の割り当てには別に興味がないのだヨ。」
一「部屋の割り当てか…」
冬「…………」
藍「取り敢えずは同じ部屋になりたい人の
隣に並んでみようか」

藍染は取り敢えずは同じ部屋に
なりたい人の横に行くように指示。
すると三人が同じ方向へ。

藍「…どうやら君達とは争わなければいけないようだ」
市「そやなァ…これは流石に無理やもんなァ?」
総「わしは譲らんぞ…!」

なんと冬獅郎の横に三人が集まった。
マユリは興味がないと動かず
一護は悩んだ顔で動かず。
冬獅郎は三人に引いた目で

「…お前ら三人が同じ部屋になりゃ
それで解決じゃねえか…」

そう言い、はぁと手を付き溜め息。
その発言に対し三人が直ぐ様反論をする。

「日番谷クン…?それは冗談だろう?」
「そやで!?こんなおっさん等と同じ部屋とか
ボクもおっさんみたいに見られるやん…」
「何を言うんじゃッ…!わしはまだまだ
ピッチピチのフッサフサの…」
ギン、お前はいつから私に
そんな偉そうな態度を取れるようになったんだい?

「え、あ…あははッ…冗談やないの…」
「冗談、にしては本気の顔つきだったぞ?」

藍染は笑顔ながらもどす黒いオーラでギンに責める
総隊長もおっさん扱いされたことに対し

「そうじゃ!わしの事を
おっさん呼ばわりするとは…けしからん!」

ギンは二人に言葉で責められて
冬獅郎にまるで子狐🐺のように

「助けてえな…日番谷はん…」

と助けを求めるも冬獅郎は知らねえと言いそっぽ向く
それから三人は暫く争う。

「つかまず総隊長はじいちゃんだろ」

一護はぼそりと突っ込みをいれていた。
三人は争いっぱなしで忘れている。

重大な何かを忘れている…



藍「いいかい?日番谷クンと同じ部屋に
なっていいのはこの私だ」
🐺「いやいや、そこはボクやろ!?」
総「わしはこの先いつ死ぬか分からんから…」
冬「…………はぁ…」

あれから約十分間経った今も三人は言い争っている。
その様子を女性陣は呆れたように

乱「んも〜早くしなさいよ」
や「揉めてるならあたしがひっつんと…」
七「会長…それだと更に揉めます…」
乱「そうよ?と言うよりもやちる、あんた
織姫と同じ部屋になるって決めたでしょ!」
や「あ…そうだった…」

どうにかして揉めあいを抑えようと
何か方法は無いのか考えていた。
冬獅郎は溜め息付き早くしろと言う
鋭い視線を三人に送るも届かず…
三人は醜い争いをしている。

冬獅郎はふと一護に目を向ける。
すると一護と目が合う。
一護も此方を見つめていたのだ。
二人はハッとしてお互いに
視線を反らす所か顔までを反らす。

その様子を見ていたマユリが
三人の争いを治める発言をする。

一度好きになったなら覚悟を決めるのだヨ
「ッ……おい…てめえ何言ってッ……」
「死神代行はいつまで隠すのかネ」
「はッ…何言って…」
「…私は総隊長と同じ部屋になるヨ
総隊長、それでもいいかネ?」
「あ、ああ…かまわん…」
「それとキミ等も素直になってみるのはどうかネ?
意地張っていたらお互い離れるヨ」
「…………ギン、同じ部屋になってくれないか?」
「…ボクも考えてたとこですわ
よろしゅうたのんます、藍染はん」

なんとマユリは男性陣の本命を見極めていたのだ。
いやこれは透視したのだろうか?
兎に角部屋の割り当ては

・総隊長とマユリ
・藍染と🐺
・冬獅郎と一護

となった。
藍染やギンは冬獅郎を狙っていた
…ように見えたが本当は藍染とギンは付き合っており
最近関係が少しギスギスしていたらしい。
総隊長とマユリは付き合っているわけでも
何でもないのだがこれは
マユリの最初で最後の気遣いだった。
マユリは誰も止められなかった争いを
いとも簡単に止めてしまい
ついでに部屋の割り当てまで決めてしまった
それを女性陣は感動をして
マユリの近くに集まり誉め称える。

乱「やるじゃない〜!」
卯「おほほ…中々やりますわね」
や「すごーい!!どうやったの?」
ネ「流石マユリ様です。」
織「す、すごかったです!!」
七「貴方は薬厨かと思っていましたが
今ので改めて見直しました。」

女性陣全員がマユリを誉め称える。
それをマユリはさっと退けて

「…部屋の準備が出来たみたいだヨ
早く行かないと迷惑かけるのだヨ」

と呟きながら案内役の元に
可憐に向かうマユリにまたもや女性陣は誉め称える

その様子を見ていた男性陣。
藍染とギンは

「…中々の強敵のようだね…」
「せやなァ…あの人はヤバイわ…」

とマユリは凄い奴だと誉めていたが
総隊長と一護は

「…格好をつけよって…わしの方がピッチピチの…(省略)」
「なんかむかつくぜ💢」

頬を膨らませて、なんだあいつ💢と
少し怒りを込めていた。
一方その頃冬獅郎は固まっていた。
その様子に気付いた一護は話しかける

「おい、冬獅郎どうしたんだよ?」

話しかけるも冬獅郎は無言。
まさか立ったまま気絶してんのか?と
一護は心配になり顔を覗きこもうとすると

「ッ……見るんじゃねぇ!!」

ドンッ…!!

「うぉお!?」

冬獅郎は固まっていたはずが
顔を覗きこもうとした瞬間、肩でタックルをした。
一護は尻餅を付き盛大に転ける。

「ってえ……」
「あ………すまん…」

まさかそこまで盛大に転けるとは
思わなかった為冬獅郎は謝る。
その様子を見ていた乱菊がニヤニヤしている。
それを偶々見た一護が不思議そうに

「なんで乱菊さん笑ってんだよ?」

その問いかけに対して乱菊は
クスクスと柔らかい笑みを浮かべながら

「ふふっ、一護見てみなさい。」
「は?え、何をだよ?」

乱菊がアレと言い指差す方向へと目を向ける。
其処には冬獅郎が居た。
此方を向いて突っ立っていた。

「あらあら、林檎みたいですわ」
「ほんとだ!ひっつん林檎だ!!」
「ッ……!!冬獅郎どうしたんだよ!?
顔がすげえ赤いぜ!?」
「ッ……ッ……ッ……」



冬獅郎の顔は林檎のように
真っ赤っかに染まっていた。


....
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