BLEACH

□大好きな雪狐【前篇】
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「…藍染はん…」
「らしくないよ。キミは妖しい顔つきがピッタリだ」
「妖しい顔つきて…ボクいつもそんな
エロい顔つきしてますのん…?」
「え、あ…いやそういう意味ではなくてね…」

市丸は色々と考えて落ち込んでおり、
藍染の言葉を嫌味ととる余裕がなかった。
藍染は様子がおかしいと察知をし
からかうことなく真面目に問う。
(さっきの発言もいつも通りだった)

「…全く、どうしたんだい?」
「藍染はん…聞いてもろても宜しいやろうか」
「ああ、全く構わないよ。んーそうだね
此処だとあれだから私の部屋まで来なさい」

市丸はコクリと頷いて藍染の部屋に行く為
藍染の後ろにヨロヨロしながら付いていく。
藍染は“大丈夫じゃないなこれは…”と思い
歩くスピードをいつもより遅めにする。



藍染の部屋に着き、中へ入ると
藍染は其処に座りなさいとふかふかのソファーを指差す

「え…いやこないなええソファーに
ボクなんかが座ってええんです…?」
「良いから言っているんだよ。さあ、座りなさい。
飲み物はワインとコーヒー、紅茶どうする?」
「こ、紅茶たのんます…」
「分かった。少し待っててくれるかい?」

藍染はそう言うと紅茶の袋を取りだし、
薔薇の模様のティーカップに
中サイズのスプーンで粉を掬うて入れる。
その間市丸はいつもの姿からは予想が出来ない程
どんより…と落ち込んでいた。
そして突如こんなことを言い出す。

「…ボクって何の為に護廷十三隊に
入ってるんやろ…」

いきなりのその発言に藍染は
湯を注ぎながら落ち着いた様子で答える。

「そんなの決まってるではないか。
乗っ取るたm…ゴホゴホ、それは人それぞれだよ、ギン」
「人それぞれって…そないなことありますん?
皆目的違うかったらアカンのとちゃいますん…」
「そのだよ、ギン。
逆に皆が皆同じ目的だとすると例えとして、皆が
此処だとタダ飯だから入った”と言う
目的だと大変なことになるだろう?」
「確かにそやけど…」
「…いずれキミにも判る時が来るさ
さあ、入ったから温かいうちに飲みなさい」

カチャ…

市丸は“そやけど…”と言うも藍染が
“いつかキミにも判る”と途絶えさせられる。
仕方なく市丸は訊くのを止めて薔薇模様のカップを
手にとって紅茶をズズズッと飲み干す。

「はは、凄い飲みっぷりだね、ギン」
「喉、渇いてたみたいですわ。
藍染のお蔭で楽になりましたわ。」
「そうかい、それなら良かったよ」
「ほな…ボクはこれにて失礼しま…ッ…う…ッ…」
「…?ギン、どうしたんだい?」
「な……んや…熱い…ッ」
「熱いってこんな真冬だって言うのにかい?」
「はァ…ッはァ…ちょ…と外で体温調節…してきますわ…」

市丸は急に体が熱くなるのはきっと体調不良で
体温調節がうまくいっていないのだろうと思い
外へ出ようとソファーから立ち上がり
藍染の部屋の襖を開けようとする。

ドンッ…!!!
ビリ…ビリビリ!

「なッ…何の…つもりですの…藍染…はんッ…」
キミは逃げられない、ってことだよ」
「…な、何を言ってはるか…ようわかりま…せんわ…ッ……」
「まだ分からないのかい…?
例えキミが日番谷クンと
付き合っていたとしても私には関係ない。
全力で日番谷クンから奪い取るだけだよ。


藍染は優しい笑みを浮かべていたが
今は一人の男の顔つきをしている。
市丸は身動きをとれず固まったまま。
どうすればよいか混乱する頭で
必死に考えていると腰に変な感覚が走る。

ひッ…
「おや…腰を撫でられるだけでそんなにも
声が出てしまうのかい?」
「や…やめてぇ…な…藍染…はんッ……」
「何故だい?」
「ボクにはッ…日番…谷はんが…ッ……」
「今言ったばかりなのにもうそれかい?言っただろう?
“例えキミが日番谷クンと
付き合っていたとしても私には関係ない”
とね」

藍染はそう言いながらギンを無理やり
ソファーへ連れていき押し倒す。
押し倒して手足を動けないように
縄で縛り上げると、藍染は襖の方へ行き襖に穴を開ける

プスプスプス

「な…ッ……なにして…」
キミの可愛い啼き声が少しでも
日番谷クンの耳に入れるように穴を開けているんだよ」
「そ…そないなこと…やめッ─
「キミはあの子には相応しくない。私に相応しいんだ。
「ッ……ッ……」


....
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