3Z short

□好きなくせに馬鹿みたい
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きっと土方くんは、好きな人がいると思う。

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「 やばい。数学欠点じゃん。」

高校2年生、3年生に進級する前。
高校のほとんどの行事を終えたこの季節は、卒業後の進路先を決める事が私達に今考えるべきことだった。

「 卒業できるかどうかじゃなくて、進級できるかどうかじゃねェか?? まぁ追試決定だな 」

「 う〜〜、ハイ 」

先生のクセに、そんな嘲笑うかのような顔で言うなよ。なんて、心の中の声だけど。思いながら、席につくと隣の土方くんに声をかけた。

「 ねぇねぇ 土方くんは数学のテスト何点だった??」

「97点だった。あと3点だったな」

いやいや、そんな落ち込まれても。私は3年生に進級できるかすら危ういのに。嫌味ですか。

「 そういうおまえは、何点だった…って、10点!? 」

「ちょっと、声デカイ!やめて!」

真っ黒な目が見開いて私を見つめている土方くんからは、こんな問題で?とあっけらかんとしていた。

「 追試のヤツは、1週間後に再テストだからな。60点以下とったヤツは留年確定だから、しっかり勉強するように。」

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それから。進級をかけたわたしは数学がお得意な土方くんが助けてくれるそうで、放課後サポートしてくれていた。さすが、キチンと授業を聞いているんだろう(すみません。いつも寝ております)、説明がすごく分かりやすい。
模擬テストまで作ってくれて。もう、先生に向いてるんじゃない?




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