Expressionless girl
□無表情少女
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ボクは今日拾い物をした♥
とても面白そうな拾い物を…♥
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繁華街の通りを一本奥に入ればそこはもう繁華街とは別世界。
暗く、湿った空気で満ちている裏路地。
そこを一人の少年が歩いていく。
少年の髪は燃えるような赤、油断なく辺りを見渡す瞳は金色、銀色に光るナイフを手で弄りながら獲物を探し歩く。
暫く歩いていた少年は裏路地の奥の方をみて目を細め口元を歪めた。
少年が気配を消して近づいて行くと、そこには十数人の男が一人の女をとり囲み
何やら下卑びたことを口々に言っていた。
近くから見れば、女はまだ本当に幼い幼女だ。
年齢もせいぜい5歳が良いところだろう。
自分が今どんな状況か理解してないのか周りを取り囲む男たちを見つめていた。
ゆっくりと男たちの顔を見ていた幼女の視線が少年の視線と交わった。
その幼女の視線を追って少年に気付いた男の1人が声を出すと他の男たちは幼女から少年へ視線を移しそれぞれ手に獲物を持ちながら迫ってきた。
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ついさっきまでニンゲンだった首を適当に投げ捨て後ろを振り返る。
そこには先程からずっと壁に寄りかかりながら冷たい地べたに座る幼女の姿。
幼女の目にはたった今まで行われていた虐殺が見えていた筈なのにその瞳には恐れや怯えが全く無かった。
ただじっと変わらない表情で周りにいた男たちが血しぶきを上げて倒れていくのを見送っていた。
そのなんの感情も表れない瞳に全身に返り血を浴びた少年ーヒソカは興味が湧いた。
その瞳に最初に表れる感情は何か…
それを見たいという好奇心に従いヒソカは幼女を抱き上げ家に連れていった。