dream

□ライバル宣言?
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「絶対に、アンタから黄瀬をとってやるんだからね!?」
長い茶髪のツインが揺れ、つり目がちな同色の目がさらにつりあがっている。
「えーっと...」
「覚えておきなさいよ夢ノ瀬リラ!」
走り去る後ろ姿に私は首を傾ける。
「これって...ライバル宣言?」



「マジでー!そのこ、うちの学年で有名な美少女じゃーん」
「そうなんだ」
「そーよ、灰崎林檎。プライド高くて運動神経抜群で、女子には敬遠されてるらしーよ」
「ふーん...ん、灰崎!?」



「あ、灰崎さん」
「何馴れ馴れしく呼んでんのよアンタ!?」
「え、何となくだけど...って、それよりもしかして、灰崎しょうごさんの親戚?」
「ショーゴくんのこと知ってるの!?」
その瞬間、彼女の目が丸くなる。
「ええ、そうよ。あたしはショーゴくんの従兄弟の灰崎林檎。海常のマドンナよ!」
うわあ、確かに痛い性格だあ...
「あ、黄瀬くんが灰崎さんに勝ったから、仕返しとか?」
「なっ、どうしてそれを!」
意外に単純!?
「...ずっと好きなのよ」
「え?」
「あの人に勝った黄瀬と付き合えば、ちょっとはこっち見てくれるかなって」
「灰崎さん...」
ちょっぴり、可哀想になってし
まった。
「...とにかく、覚悟しておきなさいよ、夢ノ瀬リラ!」
「あ...」
後ろ姿を見ながら溜め息をつく。
「どうにかしてあげたいんだけどなー...」
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