dream

□寝言
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「この時筆者は…」
気だるい午後、暖房が心地好い室内で、国語の教師が更に眠気を与える。
私は国語は成績が良いため、ぼんやりしていた。
普段は部活のことや本を読んだりしているんだけど。
チラッと前を見ると、最前列で成績もよろしくないはずの金髪が気持ち良さそうにねている。
カーディガンの痕がつきそうだ。
窓際のため、冬の日差しが髪をキラキラ光らせている。
綺麗だなー、と思いながら私は少し微笑んだ。
しかしその直後、笑顔が凍り付く。
「リラっち…」
その声は、静かな午後の教室によく響いて。
完全なる寝言だ。
うとうとしていたクラスメイト達はたちまち活気つく。
「んだよ黄瀬、ノロケかーよ」
「どんな夢見てんだ」
調子にのった男子のひやかしに、私は顔を赤らめる。
突然のそれに、流石の彼も目をさます。
「ん…なんスか、皆」
「お前、今彼女の 名前言ってたんだぞー?」
「え、まじで」
「愛してるとか言ってた」
「言ってません!」
教室が笑いに包まれる。
「まあ、リラっち愛してるのはとーぜんッスから?リアル天使」
「真顔で愛を叫ばないのー」
即突っ込むと、更に笑いが広がる。
「流石海常1のリア充だな、授業中でも愛を語り合って」
「ませんから!」
「あらあら」
先生まで笑い出してしまった。
「大丈夫リラっち、浮気なんて絶対しないッスよー!リラっち一筋リラっち命!」
「妙な言い方しない!」
夫婦漫才がこだました。


「それでリラっちは?オレのこと好き?」
「好きに決まってるでしょ」



ーFINー

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