夢物語
□呑み会
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今日も今日とて仕事だった私は、疲れた体を癒すために少し呑んで行こうと歩いていた。あんまり呑めないけど、明日はちょうど休みだし、少しくらい多く呑んでも大丈夫。
「あ、あんな所におでん屋…」
暖簾の中から漏れる明かりに吸い込まれるように近づいていく。こんなところでやってたんだ...以外...。
「すみません、いいですか?」
「らっしゃい!どーぞ座ってくれぃ!」
いかにもおでん屋さんの店主って感じの人が迎え入れてくれた。
あー、いいねぇこういう雰囲気。
「日本酒ありますか?」
「あいよ!」
「ありがとうございます。」
私はビールっていうよりも日本酒とかの方が好き。いいちことか二階堂とか、基本麦かなぁ。あ、お酒は20越してからだからね!
まぁ日本酒ならなんでもいいけどね。
「っふぅ〜!あぁー...やっぱ日本酒が一番だよぉ〜...」
幸せ...仕事終わりのお酒って一番美味しい。
「お客さん、いい呑みっぷりだねぃ!オイラ久々に見たぜ!」
「本当〜?嬉しいー!あ、店主さんも一緒にどうですか?」
「お!いいんですかぃ?んじゃあお言葉に甘えて、いっぱい頂くぜ!」
なんだか少し幼さの残っている店主だが悪い人ではないよう。誰かと一緒に呑むのもいいよねぇ。あー楽しい。
「いやぁ常連以外の客なんていつぶりだー?」
「常連さんしか来ないんですか?」
「まぁなー。なんせあんまり人通りが良くねぇからよーここ。常連以外この場所知らねぇんでい。」
「んじゃあ私もここの常連さんになろうかな。大根と卵下さい!」
「おー!そりゃあ嬉しい話だ!あいよ!オイラのおでんは世界一旨いんでぃ!」
相当おでんを愛してるみたい。よそってる時の顔、凄く嬉しそうだった。今日のおでん屋さんは当たりだな。本当に常連になりそう。
「ん!美味しい!」
「だろぃ!!なんたってオイラが作ったおでんだからな!カッカッカッ!」
濃すぎず薄すぎず、丁度いいダシで、私にはぴったりだった。もう決定。絶対ここまた来る。
「あの、店主さんのお名前伺ってもよろしいですか?」
「あぁ!オイラはチビ太ってーんだ!」
「チビ太さん...あ、私は最近この近くに引っ越してきた梅野竹子っていいます。よろしくおねがいしますね、チビ太さん。」
「こっちっこそよろしくな!竹子ちゃん!」
こうして私とチビ太さんは仲良くなった。わーい!友達?増えた!