夢物語
□ヤキモチ
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さて、足りない物買いに行くかな。
引越したばかりで、こっちで買わなきゃいけないものはある。
手提げ袋を持って家を出ようとした時だ。
ピンポーン
「?またトド松?」
昨日に引き続きなんなんだろ…。
連日鳴るインターフォンに少し嫌気がさす。
『はい。どちら様ですか。』
「こんにちはー!おそ松でーす!」
今日はおそ松らしい。
『…おかえり願えますか。』
「なんでそんなドライ!?なぁちょっと話そうぜー?」
『話すことなんてないけど。』
おそ松の事だ。どうせ呑もうか金貸せだろう。
「冷たいこというなよ竹子〜。な!ちょっとだけ!」
なにをそんなにお願いしてまで話したいんだろ…。ちょっと気になった私は扉を開けてしまった。
「なに?私これから出かける所なんだけど。」
「なぁ竹子。昨日、トド松と出掛けたって本当?」
「え?うん。出掛けたけど。」
もしかして、それだけ?
なんだ、身構えた私が馬鹿みたい。
「どこ行ってきた?」
「ショッピングモールだよ?あれ、トド松に聞いてないの?」
「聞いてねぇ。ってか、まず昨日2人で出掛けてたとか、知らなかったし。」
あら、それは悪いことしたかも。
てっきり私はトド松がちゃんと言ってあるものだと思ってたから。