夢物語

□引っ越し
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長らく勤めていた職場で辞令を出された。

所謂転勤ってやつ。

どうも転勤先でトラブルがあったらしく、何かと手際のいい私を推薦したみたい。
実際の所はまぁ分からないけど。
そんな事は気にしない!もうポジティブにいきます。

私は辞令を出されたその日に任された仕事をきちんと終わらせ、荷物をまとめて、転勤の事を家に帰って親に伝えた。

「転勤!!?こんな時期に!?」

第一声はこれである。
まぁ分かるけどね?私もこれから出世したりなんたりっていう所まで来てた訳だし。
それなのにいきなりの転勤ってね。そりゃあお母さんもびっくりだよね。

「うん。でももう決まっちゃってさ。」

これはどうしようもないし…
そういえば転勤先の会社、なんか聞き覚えある住所だったんだよな…。なんでだろ。

「うちからは行けないの?」

「遠すぎて無理だよ!ってか私もう一人暮らしくらいできるよ!」

「女の子が何言ってるのよ!彼氏がいて一緒に行ってくれるならまだしも、独り身の貴方が一人暮らしなんて危なすぎるわ!」

でたよ!独身だから無理縛り!!
関係ないじゃん!確かに彼氏はいないけど、もう私24だよ!?成人してるし子供じゃないのに!この過保護マミーめ!

私がしかめっ面をしてれば、お母さんもはぁってため息つきながら呆れ声で

「わかったわよ。もう子供じゃないもんね。だけど!アパートとかマンションは駄目!最近物騒なんだから!家は私が探しておくからね!」

分かってくれたのは嬉しいけど、何家探しておくって!私が一軒家に1人で住めと!?そっちの方が寂しいし危ないわ!
…なんて言ったところで頑固なお母さんは動じないだろうな。
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