イナズマイレブンGO
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「ホムラ」
聞き慣れた声に振り向くと、やはり思った通りの顔。
藍色の髪に藍色と水色の、珍しい二重構造の瞳。
誰より大切な幼なじみ。
「何?豹ちゃん」
首を傾げながら体を彼――雪村豹牙に向ける。
と、一瞬で腕を掴まれ抱き寄せられる。
抵抗のない、されるがままの私に雪村は満足げな笑みを浮かべる。
「やっぱりオレホムラ充電しないと生きていけない」
『それはいいから、何かって聞いてるんだけど……』
「部活の後練習付き合え」
『はいはい』
端から見れば、異様な光景かもしれない。
会話内容はともかく、年頃の男女が抱き合っているのだ。
しかし幸か不幸かそれを指摘する人間は周囲にはおらず、どころか生温かい視線すら感じる。
何故か私と雪村は白恋中公認のカップルと言われていて、周囲からしてみれば「今日も仲がいいなぁ」くらいの認識らしい。
あいにく私たちはそんな間柄ではない。
まあ友人というのも少し違う気がするし、やはり幼なじみというのが一番しっくりくるだろうな。
そんなことを考えていたら、ほったらかしにされたとでも思ったのか雪村は少し不機嫌気味に頬を抓ったり髪を引っ張りだす。
やっぱりそこは男子というのか、結構力があって痛い。
『豹ちゃん痛い』
「うるせえ」
そう言いつつも痛がっているのはわかっているのか力を緩めてくれる。
心の中で仕方ないとため息をつきつつ、雪村の頭に手を伸ばして撫でると途端に雪村はおとなしく撫でられる。
そういうところは幼く見えて可愛いなぁと思う。
本人に言ったら「可愛いとか言うな!!」って怒られそうだけど。思うだけならいいよね?
『豹ちゃん、次の授業移動だよ』
「ん、じゃあ行くか」
ようやく離れてくれた、と思ったらしっかり手は繋がれたままだった。