story

□めありーみー
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『...飯食べよ』



ソーマを囲んでる集団を横切ってラウンジへ入ろうとした瞬間

後ろからヒカルを呼ぶ声が聞こえる

振り向くとソーマがこちらに向かっていた

ソーマを囲んでいた女の子達はいつの間に散けて居なくなっていた




『おぉ、ソーマ』

「おぉじゃないだろ、なんで声掛けねぇんだ」

『いや、話してたから忙しいかなぁ〜と思って。』



お前が可愛い女の子達にちやほやされてるからだろ

と本心は言わず拗ねたように答えたヒカルにソーマはふっと笑う



『む、どこも笑う要素無かったけど』

「...悪かったな」

『キーーーッ!なんだよ!言いたいことあるんだったらはっきり言えよ!』

「いや...可愛いと思っただけだ」

『は...わ、わっけわかんねーし!ばーかばーか!』



突然の言葉に動揺するヒカルは照れを隠すためか

ソーマの腹を一殴りしてラウンジに入る

蹴られた所を手で擦りながら着いていくソーマ



お昼のピーク時が過ぎ、残っていたのはほんの数人だけだった。

久しぶりだな〜と声を掛けてくれる仲間。

軽く話して中央のカウンターに座ると当然のようにソーマが隣に座る。



『あれ、まだ居たの』

「駄目か」

『いや、駄目じゃないけど...』



なんて会話をしているとムツミが顔を出す



「あっ!ヒカルさん!おかえりなさい!」

『ムツミちゃん〜ただいま!さっき着いたばっかりなんだ〜

もうお腹すいたー!頼んでたの出来てる?」

「できてるよー!はい!」

『おーありがとう!ホント俺ムツミちゃんのオムライス大好きなんだ!』



まぁムツミちゃんの料理なら全部大好きだけど!と言うと

褒めたって何にも出ないよーと頬を赤らめるムツミ

いつもは頼もしい彼女もふとした時に見せる表情は

どこにでもいる普通の幼い少女なのだと実感させられる

そしてちゃっかりとコーヒーを頼むソーマ





『むふ〜〜〜おいしかった!ごちそうさまでした!』

「うふふ、おそまつさまでした!」

『ほんと、いいお嫁さんになるよ!』

「なれたらいいなぁ〜」

『なれるって!やっぱ、結婚したいって思う?』

「うん!」

『そっかー!そういうお年頃か〜かわいいな〜』



きゃっきゃと女子同士のような会話にソーマは黙って話を聞いていた

そしてふと、ムツミがヒカルに質問をする



「ヒカルさんは、結婚したいと思わないの?」



ピクッと、カップを持つソーマの手が動いたのが横目で見えた



『え...あー、結婚とかの前に俺彼女いないから!』

「えーうそだぁ〜!絶対いるでしょー!」

『いないいない!まじで!』

「そうなんだ...ヒカルさんすごくいい人なのになぁ...」

『だろー?』



ほんと見る目無いよなー!とふざけて笑うとムツミも ねー!と笑う

そのあとも少し話しをしてからムツミに別れを告げラウンジを出るソーマとヒカル




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