story
□ほんもの?
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『あ、そろそろ時間だな...みんな家に帰る時間だぞ〜』
「わかった〜バイバイヒカル兄ちゃん!」
「ばいばいチョコの兄ちゃん〜」
「じゃあなヒカルにぃ!」
『またな〜』
子供達に手を振り見送っている後ろから足を叩かれる
振り返ると少女が俺を見上げていた
ヒカルはしゃがんで少女に目線を合わせる
『どうした?もう帰る時間だぞ?』
「あのね、ヒカルお兄ちゃん」
『ん?』
なに?と口を開こうとした瞬間
ヒカルの頬に少女の手が触れた
「これ、"ほんもの"?」
『え?』
「笑顔」
『っ...』
突然の少女の一言に、ヒカルは言葉に詰まった
『あたりまえだろ...?』
「...そっか、またね。ヒカルお兄ちゃん」
そういうと俺の横を通ってみんなが帰った方へと走って行った
ヒカルはしゃがみ込んだまま
少女に触れられた頬を押さえる
『あぁ...だめだな...』
子供って変なところで鋭いよなぁ...
そうだよ。
俺は冷たい人
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献身的な人間は優しい人になれない/初音ミク