FAIRY TAIL

□*019*
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『ふぅ。今日のところはこれでいいかな』


私は、本日二つ目の闇ギルドを倒した


『そろそろ宿を探さなくちゃ』


私は今日も、いつもどおりの一日を終えた




──────


一方の妖精の尻尾




「ナツ、元気ないじゃない。どうしたの?」

「あ?あぁ。アサ……いや、ルーシィに言ってもわかんねぇや」

「は?」


ナツの言葉に、怪訝そうな顔をするルーシィ

彼女はある人物の所に行った


「ねぇ、ナツが元気ないみたいなんだけど……」



─────────



「ナツ」

「んぁ?」

そこには妖精女王のエルザが立っていた

どうやら、ルーシィが呼んだのは彼女だったようだ


「どうした。最近元気がないようだが」

「なんでもねぇよ」

机に突っ伏していたナツは、再びクタっと伏せた


「おいこらナツ!俺の飯食ったのお前だって!?」

少し顔をあげ、頭にクエスチョンマークを浮かべるナツ


「お前、惚けてんじゃねーぞ!」


……本当に覚えがないのである


その直後、グレイからの拳が飛んできた

ナツに至っては、もはややりあう気力すらなかった


グレイが殴りかかって来ているのを気にもとめずにエルザに言った

「なぁエルザ。俺、なんもしてねぇ
つーか、グレイとやり合う気もねぇ」


その言葉にエルザは、ナツがグレイと仲良くしようとしていると勘違いした


「やめろ、グレイ!
それに、お前の昼食を食べたのはドロイだ」

「おいドロイ!お前、俺の飯奢りやがれ!!」


さっそく切り替えの早いグレイ


「グレイさま、頑張ってくださーい!」

両手をメガホンのように口に当てて声援を送るジュビア



「はぁ……。早く帰ってこいよ……」

元気のなさすぎるナツを流石に心配したのか、ルーシィが再び声をかけようとすると、彼女の隣がキラッと光った


「王子様、参上!」

「ロキ!…ってか、呼んでないわよ
勝手に出てくんな!」

「大丈夫だよ、ルーシィ
僕は自分の魔力で来ているからね」

「最近よく自分の魔力で出てきてるみたいだけど、体は大丈夫なの?」


そう聞いた途端、ロキの目がキラリと光った


「ルーシィ、僕の心配をしてくれているのかい?」

「っ当たり前でしょ!てか、用があって出てきたんじゃないの?」

「そうだった。てことで、またねルーシィ」



ロキは、ナツの隣に座った


「ナーツ。どうしたんだい?」

「んぁ?ロキか」

「アサコがいなくて寂しい?」

「ん……」

「よしよし」


珍しく口数の少ないナツが可愛く見え、頭を撫でるロキ



その時、華やかにギルドの扉が開け放たれた



「「「我ら、青い天馬のトライメンズでーす!」」」

「あなたのための、一夜でぇす(キラメキッ」


「えっ!トライメンズ!?」

「なにっ、一夜だと!?」


いち早く反応したルーシィとエルザ



「エルザさん!相変わらずいい香り(パルファム)……おや?あの花のような、かぐわしい香りは……?」

クンクンとギルド内を嗅ぐ一夜


「ヒビキ!ちょっと…」

「レオじゃないか!久しぶりだな」


ロキはギルドの隅にヒビキを連れていった


「アサコはギルドから姿を消しているんだ。みんなの記憶を消して
何故か解らないけど、僕等五人ほどの記憶は残っているんだ」

「それで、なにかおかしかった訳か」


ロキの話に納得するヒビキ


「で、どうして君たちはアサコを探しに来たのかい?」

「週刊ソーサラーの特集で、僕たちのデートを取り上げることになってね」


それで、アサコを探しに来たと言うのだ


「彼女は妖精の尻尾から大切にされているし、もし帰ってきてたにしろナツが離れたがらないんじゃないかな?」

「なんでナツくんなんだ?
グレイくんはどうしたんだ?」

「グレイは、ある闇ギルドに記憶操作をされて、ジュビアのことが好きってことになってるんだよ
しかも、アサコのことは喋りたくないくらい大嫌い」

「それは……彼女も堪えたんじゃないな」


アサコがグレイを好きだということを知っていたかのように話すヒビキ


「気付いていたのかい?」

「まぁ、彼女はうまく隠していたつもりだったようだけどね
取り敢えず、僕たちは帰るとするよ」

「ああ。またね」

「また」


青い天馬は、ヒビキの説明を受けて帰っていった



「そうだナツ、いい情報を教えてあげよう」

「なんだ?」

「じつは────」

「なにっ!ほんとか!?」





───────



次の日





『ふぅ。これで終わりっと』

私は、たまたま遭遇した闇ギルドとの戦いを終えたところだった

「こ、こいつ…強ぇ……」



私が立ち去ろうとしたとき


「待ちやがれえぇぇぇ!!」

後ろから砂煙を上げながら走ってくる人影があった



「お前、闇ギルドの奴か?」

何故かパンツ一丁の青年が問いかけた


そう。そこにはナツとハッピーとルーシィとグレイがいた


「お前バカか!こいつはどう見ても闇ギルドの奴じゃねぇ!」

「あ?バカってなんだよバカって!
わかんねぇだろ!?」


『……仲がいいんだな』

「「んなわけねぇっ!」」


二人は息ピッタリでこちらを振り向いた


『仲がいいから喧嘩をするのだろう?』

「そんなわけねぇ!」

『だが、本当に嫌いなら話しかけないぞ?』

「アサ……」『で、お前たちは何しに来た』

ナツの呟きを遮って話をすすめる


「そこにぶっ倒れてる奴らを倒す依頼だ」


グレイは私の背後を指差した


「ていうか、あんたって闇ギルドを次々に討伐してる魔導士!?」

『そうだが?』


その時、背後の一人が最後の力を振り絞って電撃を送った


その先は、グレイの左胸

闇ギルドの一人は、電気ショックでグレイの心臓を止める気らしい

なぜ彼を狙ったのかは定かではないが


『………そんなことはさせない』


私はサッと前に出て、グレイの前に立ちはだかった


私は攻撃を受ける少し前、とどめを刺した



『あなたは許せない』


私が投げた剣がその魔導士に刺さったと同時に私の心臓も止まった



────────



ドサッ


「おい……?おいっ!」

その時、アサコの体から青年が出てきた


「くそっ!魔力を借りるぞ!
出てこい!玄武、建御雷!!

玄武は連絡を、建御雷は俺に乗りながらコイツを生かしとけ!」


そう言った瞬間、青年は真っ白な虎に姿を変えて建御雷と呼ばれた男とアサコを乗せて走り去った



「アサコ!」

ナツは叫んで走り出した


「どこにいくの!?」

「アイツんとこだ!」

「誰なんだよアイツって!」


グレイの言葉を無視し、ナツはすごい勢いで走っていった



「ナツーー!オイラを置いてくなんて酷いよーー!!」


その頃、置いていかれたハッピーは宙に向かって叫んでいた





To be continue……

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