FAIRY TAIL

□*018*
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「うほおおおおお!!」

「火竜の咆哮!」



────────



ラクサス、ギルダーツ、ロキが出かけたあと



「よし、そいつ探しにいくぞ!」

「アイサー!」

「見つからないと思うけど、頑張って」

と、心のこもってない応援をルーシィにもらったナツとハッピー


「なに言ってんだぁ?ルーシィも行くんだぞ」

「あい」

「は?なんで!?いつの間にあたしも参加してたの!?」

アタフタと慌てるルーシィ


「ん?んなの俺たちがチームだからだ!」

ニカッと無邪気に微笑むナツ

チームということが、少しは嬉しいルーシィはつい気が緩んでしまった



───────





「火竜の鉄拳!」

「なんでこうなるのおぉぉ!?」

「それは森には森バルカンがいるからだよ」

「ついて来るんじゃなかったあぁぁ!」

「ルーシィ、汁すごいよ」

「汗よ!冷汗よ!!」


どごおおぉぉん


「っしゃあ!森バルカン全部やっつけたぞ!」

「あい。これくらいで手こずってたらナツが探してる魔導士と戦えないからね」

そう言って、チラリとルーシィを横目に見るハッピー


「あたしは戦わないわよ!?」

「おし、じゃあ手分けしていくか
お前とハッピーはあっち。俺はこっち」

「ひどいよナツ!なんでオイラとルーシィを二人にさせるのさ!」

「だって、もしルーシィが見つけたらハッピーが俺んとこ一直線に飛んでくるだけでいいじゃねぇか」


あんのドラ猫…!
と、青筋を立てるルーシィ


ナツには、二手に分かれたもうひとつの理由があった

何故か、何処かで嗅いだことのあるにおいがしたからだ


ナツは匂いの方へ行くと、一人の女性がいた

いや、ナツの嗅いだ感覚に間違いがなければだ


「なぁ。お前が闇ギルドを倒しまくってる奴か?」



────────



私は妖精の尻尾を出たあと、闇ギルドを倒していく旅に出た


そして、いつものように旅をしていた時に声をかけられた


「なぁ。お前が闇ギルドを倒しまくってる奴か?」

この声…!


『そうですが』

振り返ると、予想通りの綺麗な桜色の髪が目にはいった

そう。ナツが居たのだ


「俺と勝負しろ!!」

『……はい?』

「つーか、先に聞いとく。お前って女か?」

『……さぁ?男も女も、強さには関係ない』


するとナツは、うーんと唸っていた


「誰だっけなぁ……
あっ、そーだ!お前、アサコみたいなこと言うんだな!」

『……………は?』

「って、アサコ!?
悪ぃ!俺、お前のこと忘れてた!!」

そう言って一生懸命に謝るナツ


ていうか、私が忘却の魔法かけたんだから忘れてて当たり前なんだけど


『はぁ。誰にも言わないでよ?』

「なんでだぁ?」

『そうか、言うのか。なら、もう一度忘却の魔法を……』


そこまで言うと、ナツはワサワサと手を横に振った


「いや、言わねぇ!絶対に言わねぇ!
でも、ギルダーツとラクサスとロキとじっちゃんにはいいだろ?」

『だから、ほかの人はダメって……』

「でもアイツら、アサコのこと覚えてたぞ?」

『………………はい?』


今日はやけに驚いている気がする

ていうか、マスターは置いといて3人に魔法かからなかったんだ


『まぁいいや。で、なんで闇ギルドを一人で倒すような奴に戦いを挑んだの?
危ないじゃない』


「いや、お前がやってる事も十分危ないけどな

お前に勝ったらギルダーツに勝負してもらうんだ!」


それなら。と、私は紙に“たまにはナツと手合わせをしてあげて、ギル”と書いたものをナツに渡した



「サンキューな、アサコ!
…………お前、帰って来いよ」

『ううん。私はいいから、ナツは帰って』

「でも……」
『忘却の魔法かけて欲しい?』
「やだ」


「じゃーなアサコ!また会おうな!!」

そう残して、ナツは去って行った


よし、次の旅に出るか

私は再び歩き出した



────────



「おーい、ハッピー!るーしぃー!」

「ナーツぅー」

「なんであたしだけひらがな!?」


ナツがハッピーとルーシィを探していると、二人が飛んできた


「ナツぅ。ルーシィ重いよぉ」

「はい!?そんなこと言うのはどの口かしら?猫ちゃん」

「いひゃいよぉ」

ハッピーの口を引っ張ったルーシィは、そのまま乱暴に降ろされた


「見つかったの?」

「いや、まぁいいことあったから帰るぞ!」

「アイサー」

「ちょっ、なんなのよー!」


嬉しげに帰っていくナツに、慌ててついて行くルーシィだった




「ただいまー!」
「ただー」


「おう、帰ってきたのか!」

「で、ギルダーツとは戦えんのか?」


ギルドのみんなが賑やかに三人を迎えた


「ギルダーツ!これやる!!」

「あ?」

そこには“たまにはナツとも手合わせをしてあげて、ギル”と書いてあった


「アサ…アサコ直筆!?」

「きみ、アサコに会ったのかい!?」

「ん?あぁ」

「元気だったか?」

「おう!
で、ギルダーツ!勝負しろぉ!!」


比喩などではなく、文字通り燃えているナツ


「アサコが言うなら仕方ねぇ
おいナツ。表でろ」


二人はギルドの外に出た


「かかってこい」

「いくぞ!うおおぉぉぉぉ!!」

ナツが殴りに行き、ギルダーツが避けるということが暫く続いていた



「ていうかさ。ナツってアサコのこと思い出したんだね」

「みてぇだな」

今その事に気付いたラクサスとロキ



パシィン……



「っしゃあ!当たったぞ!」

「おお。成長したなぁナツ
だが、まだまだだ!」


ナツは瞬く間に空へと飛んでいった


「くっそぉ!次は負けねぇからな!!」

「いや、多分次はねぇよ」


ナツはやはり、ギルダーツに勝つことは出来なかった


「やっぱ強ぇなぁ」

ナツはキラキラとした目でギルダーツを見ていた


「あ、ナツ。ちょぉっとこっち来い」

「あ?なんだぁ?」


そんなことを言いながらついていくナツ



「アサコ、なんか他にも言ってなかったか?」

「いや?特になんてなかったぞ」

「じゃあ質問を変える。お前が思うに、なぜアサコはギルドを抜けたんだと思う?」

わざわざ記憶まで消して、とギルダーツが聞いた


ナツはしばらくウンウン唸ったあと、あっ!と手を叩いた


「やっぱ、アレじゃねぇか?」

「アレ?」

「おう。まぁ、アイツにはいろいろあって……
秘密だ!!」


ギルダーツは迷った

彼はデリオナのことを言っているのだろうか

それとも違うのか


違うのなら、こちらからバラすのはマズイ

かといって、ナツは秘密をそうペラペラと喋る奴じゃない



「ナツが言ってっことは、俺たちが知ってることと同じだ」

「ラクサス!ギルダーツも知ってたんだな!」



ギルダーツはナツの見解を聞いた








それを聞いて、彼はどう動くのか


それはまた、次の話である






To be continue……

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