FAIRY TAIL

□*012*
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「コイツ…デリオラか!?
……………いや、ちょっとチゲぇ」

「どっちだよ!」

思案顔のナツに、つっこむガジル


「悪魔さんはどうするんでしょうか?」

「お前……………デリオナ?」


デリオラという名から連想したラクサスが問う



悪魔は目配せをした



「ラクサス!お前、アイツ知ってんのか!?」

「詳しくは知らないが……デリオナはデリオラの妹だ」

「はああぁぁぁ!?んなの聞いたことねえぞ!!」


デリオナは、ドロマ・アニムと戦いだした


どうやら格闘技で応戦するようだ


「つーか、なーんか知ってる匂いなんだよなー」

「アイツ、もしかして……」

「アサコ……さん?」

ガジルの言葉に続くウェンディ


しばらくして、デリオナはボロボロになりながらも巨大なパーツを引きちぎってガジルに渡した

そして、電気が発生しているところを折って、火が出たらナツに、電気だったらラクサスに渡した



「…食ったら力が湧いてきたあぁ!!」



《おのれえぇぇ!!》

ガッ!…………ダァーン


ドロマ・アニムの攻撃に、デリオナはボロボロになった姿で吹き飛ばされた



「アサコさん!!」

「お前…許さねぇ……アサコを傷つける奴は絶対ェ許さねぇ!!」

「鉄竜の咆哮!」

「よかったな…アサコ」


みんなは、デリオナがアサコだという事を誰一人として言っていないのに、アサコだと信じて疑わなかった



《ハッ、そんな奴を庇うのか。やはり馬鹿だなお前たちは》

「んだとぉ!?」

《馬鹿だと言っておるんだ。そんな、いつ自分たちを攻撃するやもしれん化け物なんぞ、庇ってなんの得がある》


“化け物”その言葉に、デリオナが小さく反応した気がした


「化け物だぁ?あぁ、確かに化け物はここにいる」

ナツの言葉にビクビクするデリオナ


《わかっているじゃないか》

「だが、俺たちの言ってる化け物はお前が思ってる奴じゃねぇ
お前が化けモンだ!!」

「そうだぜ。そんな不味い鉄の塊が竜だぁ?ふざけんな!!」

「そうです!グランディーネは…竜はもっと優しくて、あったかくて……あなたみたいに冷たくありません!!」


「俺は竜を知らねぇからわかんねえが、一つだけ分かることがある

それは、お前を倒さなけりゃいけないってことだ!!」


その後、ドロマ・アニムは倒された


四人はデリオナの近くに集まった



「治癒魔法!」

「おい、アサコ。しっかりしろ!」

「とっとと起きろよ。聞きてぇことがあんだ」

「アサコ……」


しばらくすると、デリオナは縮んでいきアサコの姿に戻った


「……意識はあるのか」

「どういうことですか?」

ポソリと呟いたラクサスに、ウェンディが問う

ラクサスは、アサコから聞いたことを話した


『……隠してて…ごめん』

「アサコ!大丈夫なのか!?」

『うん…なんとか……
ありがとう、ウェンディ』

「そんな…私こそ、ありがとうございました!助けていただいて」


私はゆっくり立ち上がった


「おい、いけんのか?」

「無理するなよ」

『うん。ミストガンが無茶しそうだから』

「いや、お前が無茶してるだろ」

私に突っ込むラクサス


それを言われると何も言えません……



「アサコ!オイラがアサコを連れていくよ!」

『ハッピー、いいの?私、重いよ?
後悔しない?』

「あい、大丈夫!」

『それじゃ、お願い』

「アイサー!!」

私は、ハッピーの翼(エーラ)で運んでもらった


『ミストガン!』

「アサコ!無事だったのか」

『当たり前!』

私がミストガンの元についてから少し遅れて、街から悲鳴が上がった


「何事だ!?」

「ハッハッハッー!我は大魔王ドラグニルだー!!」

「ぶ、部下その1です!」

「部下その2だ……なんで火竜の部下なんだ」


街では、ナツとウェンディとガジルが暴れていた

流石にラクサスはいないか



『よしっ、頑張るぞー!
東の魔法、玄武召喚!』


私は再びデリオナの姿になった


「なっ!?アサコ!無茶をするな!!」

『ウオオォォォ!!』


私はミストガンを掴み上げた


「おお!よくやった、俺の手下!
これであの王子は俺たちのものだあぁ!!」

大魔王ドラグニルの言葉に騒然とする街の人たち


「あれが王子!?」

「王子を助けなきゃ!」


みんなは手に石を持って私に投げつける

私は反撃のフリをして、街の人たちに怪我をさせないように攻撃する



「アサコ、やめろ!!」

『ウオオオォォォ!!!』

《私はアサコじゃない。デリオラ》

あらかじめ用意しておいた玄武でミストガンと喋る


「くっ……」

ミストガンは反撃をしてきた


『ぐわあああぁぁぁ……』

私はやられたフリをして倒れた


「やったぁ!王子が怪物を倒したぞ!」

「王子万歳!王子万歳!!」


街のみんなが喜んでる間、ナツが妖精の尻尾式をはじめた



「一つ!
『妖精の尻尾』の不利益になる情報は生涯他言してはならない!」

『二つ!
過去の依頼者に濫りに接触し個人的な利益を生んではならない!』

『「三つ!
例え道は違えど強く力の限り生きていかなければならない、決して自らの命を小さなものとして見てはならない、愛した友のことを生涯忘れてはならない!」』


「また会えるといいな、ミストガン」

そう言ってナツは、ニカッと笑った


『ミストガン……あなたにはいろいろ助けてもらっちゃったね
ありがとう。またね』

「俺のほうこそ助けてもらった
ありがとう、アサコ」


その言葉とともに、私たちはアニマに吸い込まれていった





───

「…君たちはもう、アサコの正体を知っていると思う。
アサコはいろんなことを抱え込みすぎている。どうか、アサコをよろしく頼む」


滅竜魔導士組は、ミストガンからのメッセージを受け取って帰っていった




To be continue……

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