FAIRY TAIL

□*008*
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「アサコ!」

『ナツ!それにみんな!』


私たちはクリスティーナの落下地点で合流した


「アサコ!炎サンキューな!うまかった!」

『それはよかったです』


「食べ物を分かち合う……それも愛。ですね!」

「あ!こいつってホットアイだろ!?」

ナツが名前覚えた…


本人の前であの天然を発揮しなかったことにホッとした私とハッピー


「リチャード殿はワシらの味方になってくれたんだ」

「お金より、愛!ですね」

「お金より愛!そう、それは素晴らしい考え方ですわ!
私たちは愛 に満ちていますもの」

「うわー……なんかすごい組み合わせ」


ルーシィがボソッと呟く



「そこを動くな!我々は評議員の者だ」

「わーれーわーれーはーうーちゅーうーじーんーだー」

「こんな時にふざけてンじゃねえぞナツ」

「あ?んだとタレ目野郎!」

「やんのか?ツリ目野郎!」


……こんなとこでまで喧嘩するなんて仲良しね


「うるせぇんだよ、脱ぎグセ変態パンツ王子!」

「やられたくなけりゃ今すぐ引きやがれ、炎バカ!」


『二人とも?あの…炎食べてるナツは可愛いし、グレイが脱ぎグセあるのは昔努力したからだから……ね?
一旦落ち着こう?』

「「お、おう……////」」


「アサコすごーい……」

「アサコさん、スゴイです!」

ルーシィとウェンディがキラキラした目で私を見ている


それより評議員の人が……



「リチャード・ブキャナン。お前を評議員まで連行する」

「まて!リチャード殿は……」

「ジュラさん、いいのですよ。
例え私が今日いい事をしたところで、過去の罪は消えません。
私は愛のために戻って来ます。ですよ」

「リチャード殿……」


「ただ、一つだけ心残りがある。ですね」

「なんだろうか」

「弟のことです。元気にやっているか心配……ですね」

「あたしたちが探しておいてあげるから!名前を教えて!」

「ウォーリー。ですよ」

その名を聞くと、エルザは優しくフッと笑った


「そうか。ウォーリーなら今頃元気でやっている。
帰ってきたとき、会いに行ってやるといい」

「それは安心しました。
短い間でしたが、お世話になりました。ですね」


そう言って車に乗るリチャードさん

あの人はきっと更生する


私にはその確信があった



リチャードさんが連れて行かれても、半数の評議員が動かなかった


「まだ何かあんのか?」

グレイの問いに対し、ラハールさんが答えた

「そこにいる、目元しか見えてない奴はジェラール・フェルナンデスだな」

『彼は、妖精の尻尾の魔導士のミストガンです』


バサっ

そう言った瞬間、帽子が取られた


「嘘をつくな。コイツはどう見てもジェラールだ」

『だから、ミストガンですって。
妖精の尻尾、S級魔導士のミストガン』

「これが私のギルドマークだ」


ミストガンがギルドマークを見せると、後ろにいた一人の評議員が声をあげた


「ギルドマークなんて簡単にどうにでもなるだろう」


それを聞いて、私は理性が一瞬にして飛んだ


『何が…簡単にどうにでもなるですって?』

ふざけないで………


『お前らに何がわかるって言うんだ!

妖精の尻尾のメンバーは……何かと過去に色々あった人たちだ。

それでも、ギルドには仲間が、家族がいるから笑って過ごすことが出来る!

お前らは恵まれた道を歩んで来たのかもしれない
だけど、私たちはみんな、イバラの道を進み、傷つきながら、ボロボロになりながらも妖精の尻尾という光にたどり着いた!

そんな妖精の尻尾のギルドマークを……家族の印を軽んじる奴が評議員に、上にいると思うと吐き気がする!』


そこまで言った時、誰かが私の手を握った

『ミスト…ガン?』

「アサコ、落ち着け。周りをよく見てみろ」


周りを見ると、みんな怯えていた

そうか……私、いつの間にか伊邪那美(イザナミ)になってたんだ


私は魔法を解いた


『もう一度言いますけど、彼はジェラールじゃありません
ミストガンはミストガンです

信じられないのなら、ギルドに行ってマスターに聞いてください

彼は、ジェラールが休まずRシステムを作っている間もギルドのメンバーとして依頼をこなしていましたから』


「そうか…失礼した」


去ろうとする評議員に一言声をかけた



『言っておきます。ジェラールを見つけても彼を捕まえるのはダメですよ』

「お前、何を言っているんだ!
ジェラール・フェルナンデスは、世界の驚異なんだぞ!?」

一人の評議員が叫んだ


『エルザは聞かないほうがいいと思うから、耳塞いでてね』

私は一言断りを入れた


『その強大な力を手に入れるハメになったのは、楽園の塔を作った大人、彼らを無理矢理奴隷にした大人。そして、彼らの伸ばした手を掴んで助けてあげなかった評議員の責任よ』

「我らはそんなことは知らん!」


あくまでも自分は関係ないって事ね


『なら、ジェラールもそんなことは知らないわ。
勝手に故郷を壊し、自分たちを地獄へと連れ去って行く大人。
それは大人が勝手にしたこと。そして、ゼレフなどという変な信教の集団のせいであんなにも歪んでしまった優しい心

評議員は被害者を牢に入れるほど酷いんですか?』


「だが、アイツはエーテリオンを落とした!」

『エーテリオンは議席の半数以上が賛成しないと落とされない。
そして、エーテリオンを落とした当時の議員は解散で済んだ
なのにジェラールは牢行き』


「先代はそそのかされたのだ!
そそのかすほうが悪い!」


『なら、ジェラールをあんな環境に放置しておいた大人が悪い
それを逮捕するんですか?
週ソラにこのネタ売ったら漸く仕事しなくていいかなぁ?』

「貴様、ふざけた事を…」「やめろ!」


それ以上言うのを、ラハールさんが止めた


「失礼した。我々はここで」



そして評議員は帰っていった



みんな、私のこと怖かったよね……


何しろ、黒魔法だったんだし……



「アサコすっげぇな!あんだけ色々してたのに、まだあんなでけぇ魔法使えたんだな!」

『ナツ……』


「そうだぜアサコ。お前、S級魔導士になれると思うぜ。ま、俺は譲らないがな」

『グレイ……』


「アサコってすごいわね!あたしも見習わなきゃ!」

『ルーシィ……』


「帰ったら是非手合わせしてもらいたい程だな」

『エルザ……


みんな、私が怖くないの?』



「いや、怒ったら怖ぇよ?
もしかしたらアイツより……」

ナツがチラッとエルザを見る

「どうした?ナツ。そうか、そんなに私の胸に飛び込みたいのか」

ゴチンッ

「いってぇ〜」



「だから大丈夫だと言っただろう」

ミストガンが私の頭に手を載せた

『うん……!ありがとう!』


「ところで、そいつってミストガンなんだよな?」

『……人の話聴いてた?』

「き、聞いてましたー!」


「だがアサコ。いつの間にミストガンを呼んだんだ?そして、ジェラールは何処だ?」

『ミストガンとジェラールを入れ替えておいたの。エルザとウェンディに先に行ってもらった時に。
ちなみに、ジェラールはおばあちゃんのところよ』

「そうか。ジェラールを助けてくれてありがとう」

『ううん。評議員が来るかもって思ってたし、何しろミストガンが来てくれなかったら終わりだったし』


「ていうかよォ。ミストガンはどうやって魔法出してたんだ?」

「魔法?」

エルザがナツに問いかける


「ああ。ミストガンがジェラールのフリして攻撃してきたんだ」

『ああ。それは私の魔法を託したのよ
魔水晶みたいにして
で、そのまま六つ目の魔水晶を壊しに行ってもらってたの』


「は?お前が行ったんじゃなかったのか?」

怪訝な顔をするグレイ

『あはは……。でっかい治癒魔法かけたら疲れちゃって、地面に寝てた』

「お前、気をつけろよ?」


私たちが話していると

「かっこいい女の子っていうのも魅力的だね」

「お姉ちゃんって呼んでいい?」

「お前、強すぎだろ」


トライメンズがいつものように声をかけてくるが、レンさんがいつもと違う

あぁ。シェリーと両想いになったのね


「それにしてもアサコ殿。その魔法は初めて見る。是非いろいろ話を聞きたい」

『あ、はい。いいですよ』




──こうして、六魔将軍との戦いは幕を閉じた


To be continue……

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